「伝統的な漆器づくりにとどまらず、プラスチックの素地にウレタン塗装を施した合成漆器の生産に取り組んだ結果、山中漆器は日本全国の漆器の中で、その出荷量は最大と言われています」と語るのは「想贈」の山口功氏。山中漆器は時代が望む手軽な近代漆器に舵を切り、飛躍的に生産額を増やした。
しかし一方で、昔ながらの伝統的な技法を守り、「木地の山中」を貫く製品も作っている。木地に漆を塗り、拭き取り、磨く工程を何度も繰り返す「拭き漆」の技法を用いて、塗膜を厚く盛ることで椀の強度と艶を増すことこそ、山中漆器の真骨頂だ。
汁椀、飯椀、取り皿がぴたりと重なるこの食器セットは、天然欅の美しい木目でも目を喜ばせてくれる。
【今日の逸品】
欅のおーるいん椀
山中漆器 想贈
10,800円(消費税8%込み)