江戸時代から昭和の初期まで、庶民の日常で使われていたのが、箱膳である。箱の中に、飯碗や汁椀、小皿などの一式が入り、食事の際は蓋を食卓とし、食事が済めば白湯で洗い、布巾で器を拭いて収納する。居間も寝室も同じ部屋で兼ねていた、昔の人の知恵が生んだ最もコンパクトな「食卓」が箱膳だった。
その箱膳を家呑み道具として使ってみた。箱には好みの酒器を入れ、膳には酒と肴をセットする。これで家呑みの準備は完了、盃を傾けるうちに晩酌の時がゆっくり過ぎていく。なかなか外に出かけられない時期であっても、箱膳の周りには幸せ空間が広がる。
箱膳という先人の知恵を使い、ひとり呑みを愉しみたい。
【今日の逸品】
箱膳 面取スリ
山中産業(日本)
11,000円(消費税込み)