文/鈴木珠美
長年使っていたドライヤーが壊れた、掃除機が壊れた、洗濯機が動かなくなった……。普段使っているアイテムは基本、ノーメンテナンスで使用し、壊れたら修理か買い替えとなる。でも車はノーメンテナンスでは安全に快適な車生活を謳歌することは難しい。
何もトラブルが起こらなければ車検の時期しか車のチェックをしないという方は多いけれど、安全に車生活を楽しむなら、自分でできることは自分で行ったほうが、断然車とのコミュニケーションが計れて、潤い豊かな車生活が待っている(と私は考えている)。
“自分でできること”というのは大掛かりな作業ではなく、マイカーをいたわる気持ちと、安全に車を運転するためのコツにつながるもの。
結局のところ、車をいたわり、触れ合う密度を高め、車に注ぐ愛情を注げば注ぐほど、その愛は、もれなく全て自分にきちんと返ってくる。――――男女の関係もそうであれば、いいのに……。と、大きく話がそれた。
そう、今乗っている車の話。
今、乗っている車に対して、どれくらいの愛情を注いでいるだろうか。ただ乗るだけ、燃料を入れるだけでは愛情不足。そこでここでは、今乗っている車に対して、誰でも簡単にできる愛情の注ぎ方、もとい、安全に快適に車生活を送るための日常ケアをお伝えしたいと思う。
ワイパーのお手入れ
意外と忘れがちなのがワイパーのお手入れ。ワイパーは花粉や砂埃などが溜まりやすい場所。ワイパーが汚れていると使用時に汚れを窓に塗り込むようなものなので、日々のワイパーのお掃除は必須です。水で濡らして絞ったタオルでワイパーのゴム面を拭きます。定期的にお掃除することでワイパーゴムの劣化やひび割れがないかを確認することもできます。
ライトまわりのチェック
ドライブにでかけると必ずといっていいほど、1台は遭遇する、ヘッドライトやテールランプなどの電球切れの車。ヘッドライトはすぐ気が付きますが、テールランプの電球切れは気が付きにくいので要チェックです。ライトは対向車や後続車に自分の居場所を知らせる役目も果たすものなので、安全運転には欠かせないアイテム。とくにロングドライブに出かける前はライトまわり、ウインカーなど点検しておきましょう。
タイヤのチェック
路面に唯一設置しているのは4本のタイヤです。タイヤは安全に走るために必要不可欠な存在ですが、タイヤの確認を行っていないかたは少なくありません。タイヤの点検は定期的に行うことが安全運転のためにはとても大切。とくにロングドライブに行く前に行いたいのがタイヤの空気圧のチェック。車のタイヤも自転車のタイヤと同様に自然に抜けていきます。タイヤの空気が少なくなると燃費が悪くなったり、「走る、曲がる、止まる」の性能が低下するのでスリップがしやすくなったりします。タイヤの空気圧が適切に入っているかは、ガソリンスタンドなどでも確認してもらえるので定期的にチェックをしましょう。また目でタイヤを確認することも大切。傷やひび割れがないかなど、走る前にチェックしておくと安心です。
エンジンルームの確認
女性ドライバーのための車生活マガジンを運営していますが、女性ドライバーの中にはボンネットを開けられない方もいます。近ごろは男性でも自分の車のボンネットを1度も開けたことが無いという方も。日常点検を行うにはボンネットを開けて、エンジンルームの確認も必要です。ボンネットの開け方は事前に確認しておきましょう。ボンネットを開けたらチェックしたい項目は下記です。
□エンジンオイルの量・色の確認
□ブレーキオイルの量・色の確認
□バッテリー液の量の確認
□冷却水の量の確認
□ウインドウォッシャー液の量の確認
愛車点検を活用しよう
1カ月に1度は、カー用品店などで行っている愛車の点検メニューを活用するのも手。行きつけの美容院に行く感覚で、マイカーのための行きつけの美容院(カー用品店)を見つけて、すこやかな車生活を送りましょう。
車はいつでもどこでも自由を与えてくれる乗り物で、自分の気持ちひとつでいつでも旅することができる。車を相棒としてかわいがるドライバーが増えれば、ともに同じ道をシェアするドライバー同士のコミュニケーションも温かいものに変わってくるはず。
文・鈴木珠美
カーライフアドバイザー&ヨガ講師。出版社を経て車、健康な体と心を作るための企画編集執筆、ワークショップなどを行っている。女性のための車生活マガジン「beecar(ビーカー)https://www.beecar.jp/ 」運営。