ドライブ疲れを感じたら、上質な呼吸で自律神経を整える【彩りカーライフ～自分の人生をかろやかに走ろう～】
文／鈴木珠美
1日に２万回以上行っている呼吸。ドライブ中は運転への緊張やストレスで呼吸が浅くなりがちです。ドライブ疲れを感じたら呼吸に意識を向けて、乱れた自律神経を整えると体と心がすっとラクになるはずです。
季節の変わり目、夏に向けてどんどん日差しが強くなる時期。朝起きると何となく体がだるく、しんどい。ときには片頭痛もともなう。そんな状態で車に乗り込むのはためらうし、憂うつになります。何より、ぼーっとした状態で運転するのは危険です。しっかり寝たはずなのに疲れがとれていない、体がだるい、重い、すっきりしない。それはもしかしたら自律神経が崩れているのかもしれません。
自律神経はアクティブなときに働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経の２つで構成されています。内臓や血液、発汗などをコントロールしている神経なので、自分の意思ではコントロールすることができない神経です。でも乱れた自律神経を間接的に整える方法があります。それが“呼吸”。無意識に行っている呼吸ですが、意識的に息を吸い、息を吐くという動作を行うことで、自律神経を整えることができるとされています。
改めて自分の呼吸を観察してみると、浅い呼吸になっていることに気が付く方は多いと思います。速く浅い呼吸は交感神経を優位にし過ぎてしまうので、自律神経が乱れやすくなるのです。運転中も速く浅い呼吸になりやすい環境がそろっています。運転姿勢は猫背になりやすく胸の前の筋肉や股関節まわりの筋肉が縮んだ状態が続きます。また運転は心も緊張した状態が続くので、呼吸は浅くなり交感神経が優位な状態となるのです。
そこで行いたいのが深い呼吸。単純に深呼吸するだけでも体に酸素は巡り血の巡りもよくなるので、すっきりする効果はありますが、ここで行いたいのは“上質”な呼吸です。質の高い呼吸ができると、より、自律神経を整える効果が高まります。それでは上質な呼吸ができる方法を紹介しましょう。
固まりがちな首・肩まわりの筋肉をほぐそう
首・肩まわりの筋肉が縮んだ状態では深い呼吸の妨げになります。そこで深い呼吸をするための準備として、首、肩まわりの筋肉をほぐすことからはじめましょう。
背筋を伸ばして椅子に座り、両手を後ろで組み、組んだ手を右の腰に当てます。息を吸って背筋を伸ばして、首を右に倒します。吐く呼吸とともに左の肩は下に下げ、頭のてっぺんは右側に伸びていく意識をしながら自然な呼吸を繰り返します。約20秒キープしたら反対側も同様に行います。次は首を回します。後ろで組んでいた手はほどいて、手のひらを上に向けて太ももの上に置きます。背筋を伸ばして座り、首を右まわり２回、左まわり２回とゆっくりと回しましょう。
背筋を伸ばして椅子に座り、両手は体の横に。息を吸いながら両肩を耳たぶに近づけます。息をゆっくりと吐きながら肩を下ろします。この動作を３～５回繰り返しましょう。
両手を肩に置きます。息を吸いながら両肘を前から回します。両肘を胸の前に近づけて頭上へ。息を吐きながら肘をなるべく遠くに降ろすように回し降ろします。３回、前から後ろへ回したら、反対回しも３回、行いましょう。肘をなるべく遠くに回すように意識しながら肩を大きく回すのがコツです。
ろっ骨まわりを呼吸でほぐそう
首、肩まわりがほぐれたら、両手のひらを胸の下、ろっ骨に手を置きます。背筋を伸ばして椅子に座り、鼻から息を吸い、胸を大きく膨らませます。ろっ骨に手を置いている手が左右に広がるような感覚があるはずです。胸いっぱいに息を吸ったら、吸った息の２倍以上かけるイメージで、鼻から息を細く、長く吐きます。ろっ骨が胸の下に格納されていくような感覚があるはずです。これを３～５回繰り返しましょう。ろっ骨まわりを意識して呼吸を繰り返すことで、ろっ骨まわりの筋肉がほぐれていきます。
お腹の呼吸でリラックス
次は両手のひらをお腹の上に置きます。背筋を伸ばして椅子に座り、鼻から息を吸ってお腹を風船のように膨らませます。たっぷりと息を吸いこんだら、吸った息の２倍以上かけるイメージで鼻から息をゆっくりと長く細く吐きます。しっかりと息を吐き切ることがポイントです。吸って吐いてを１セットで、３～５回繰り返しましょう。
ドライブ前に、小休止に
自律神経を整えて、心地よいドライブを
自律神経のバランスが乱れると夏バテもしやすくなります。また繰り返しになりますが、運転は交感神経が優位になりやすい状態です。そんなときに役立つのが質の高い呼吸。首、肩まわりの筋肉を少しほぐしてから呼吸を行うと、より質の高い呼吸ができます。深い呼吸を繰り返し、体と心をほぐして整えて、心地よいドライブを楽しんでください。
文・鈴木珠美
カーライフアドバイザー＆ヨガ講師。出版社を経て車、健康な体と心を作るための企画編集執筆、ワークショップなどを行っている。女性のための車生活マガジン「beecar（ビーカー）https://www.beecar.jp/ 」運営。
