「倭国」と呼ばれた3世紀から7世紀の日本は、私たちが想像する以上に、能動的で、開明的だった――。こうした視点で、『サライ』3月号では、文字も仏教も伝わっていなかった古代の日本人の生き方に思いを馳せる「古代史の旅」を大特集しています。
第1部では、チブサン古墳、虎塚古墳、珍敷塚古墳などの内部に描かれた色鮮やかな壁画、副葬品、多種多様な埴輪とともに、古代史に詳しい奈良女子大学副学長の小路田泰直さんの解説で、対馬、壱岐、唐津など『魏志倭人伝』の記述を辿りながら倭国の姿を案内します。
第2部では、全国的に見られる「前方後円墳」を糸口に、古代国家成立の謎を読み解いています。全国に5200基もの前方後円墳が誕生した背景には、いったい何があるのか。前方後円墳がいずれも人の目につくところに造られていることなどに着目し、産声を上げ始めたヤマト政権を中心とする国家誕生の歴史と、前方後円墳の見どころを解説していきます。
第2特集は、うどんの歴史と各地に伝わる独特の味に迫る「うどん東西」です。伝承料理研究家の奥村彪生さんは、「うどんは日本で生まれ育った食べ物」とし、中国のワンタンを起源にするという従来の説に異論を唱えています。そんな奥村さんの案内で、うどんの誕生から普及に至る歴史、地域による味わいの違いなどに迫ります。さらに、“うどん県”として知られる香川の讃岐うどんをはじめ、愛知の味噌煮込みうどん、富山の氷見うどんなど、ご当地の旨いうどんが味わえる名店を訪ね、自宅で楽しむ「うどんの作り方」もご紹介します。
このほか巻頭特別企画として、没後370年を迎える剣豪・宮本武蔵を取り上げています。私たちが知る宮本武蔵は、昭和の大衆作家・吉川英治の『宮本武蔵』によるところが大きいのは確かです。しかし、それは小説として様々に創作・脚色されたもの。では、武蔵の本当はどんな人物だったのでしょう。知られざる武蔵の実像を、歴史研究家の福田正秀さんが確かな史料を基に繙いています。
古代史、うどん、宮本武蔵などを特集した『サライ』3月号。書店などで手に取って、お確かめください。
■『サライ』3月号の目次は、こちら
https://serai.jp/magazine/17024