倉敷の美観地区にある食のセレクトショップ「平翠軒」(へいすいけん)。31坪の小さな店ながら、全国の選りすぐりの旨いものを1500ほど扱っていて、その品揃えの質の高さは特筆に値する。
作家の山口瞳、俳優の三國連太郎、脚本家の橋田壽賀子などの著名人も、おしのびで通うという、知る人ぞ知る名店だ。
すべての商品について、店主である森田昭一郎氏自らが全国津々浦々に足を運び、自分の舌で確かめた旨いものだけを選んでいることが、この店の何よりの特徴である。
今回は、このたび刊行された森田氏の著書『倉敷・平翠軒のごちそう宝箱』(小学館)の中から、「平翠軒」で扱っている選りすぐりの旨い逸品を、森田氏ご自身の解説でご紹介しよう。今回ご紹介いただくのは、鹿児島から届いたとっておきの焼き餃子だ。
「おそらく惣菜の餃子としては日本でもっとも高価な餃子ではないでしょうか。選んだ自分でもめちゃくちゃ高いと思いますが、誠においしいし、この餃子でないと食べない人もいます。高いんだけどなあ、とぶつぶつ言いながら、孫のために買って帰るおばあちゃんもいます。
黒豚の中でも在来種の特徴をとどめた、鼻が低くて、しゃくれた黒豚のもも肉を選んでいます。その他、キャベツや玉ネギ、椎茸、ニンニクなどの野菜も国産。厳選素材に、椎茸や羅臼昆布、鰹節でとった出汁に、すっぽんのスープや醤油などで調味した自家製スープを練り込んだ餡を皮で包んでいます。
添加物を使わず、天然素材だけで作っているので高くてもしかたがありません。おいしければいいじゃないか、と考える人が多いのか、月に150パック売れている平翠軒のベストセラーです。
醤油やラー油を使わず、ぜひ京都産の黒七味で食べてみてください。」(森田さん)
【平翠軒】
■住所/岡山県倉敷市本町8-8
■電話/0120-334833
■FAX/086-424-0088
■営業時間/10:00~18:00
■定休日/月曜
https://www.heisuiken.co.jp/
※ 2017年4月20日に、銀座松坂屋跡地に開業する商業施設『GINZA SIX』内に『銀座平翠軒』がオープンします。お近くの方はお楽しみに!
【参考書籍】
『倉敷・平翠軒のごちそう宝箱』
(森田昭一郎著、本体850円+税、小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09310854
倉敷にある食のセレクトショップ『平翠軒』で取り扱っている垂涎のごちそうの数々。その中から、とくに店主がおすすめしたい食材44品を選び、作っている料理人の人となりや、美味しい食べ方などを紹介。見たことも聞いたこともない垂涎(すいぜん)のごちそうだらけ!グルメ必読の一冊です。※詳しくは上の表紙画像をクリック。
文/編集部
構成/中島茂信
写真/中川カンゴロー、河谷俊輔(kangoro inc.)