文/印南敦史

画像はイメージです。

「20歳のときから10キロ以上太った」
「ちょっと血圧が高い」
「親族に糖尿病の既往歴がある」

どれもありそうなことばかりだが、糖尿病専門医である『世界中の研究結果を調べてわかった!糖尿病改善の最新ルール』(坂本昌也 著、あさ出版)の著者によれば、これらに当てはまる人は「かくれ糖尿病」かもしれないのだそうだ。

糖尿病というと太った中高年の男性をイメージする人が多いようですが、日本人の場合、太っていなくても糖尿病を発症します。しかも、その多くが「かくれ糖尿病」と呼ばれ、本人が気づかないまま病気が進行しているケースがよくあります。(本書5ページより)

いうまでもなく、気づかないのは自覚症状が現れないからだ。しかし生活習慣や検診結果を見ていくと、なりやすい人の傾向がはっきりするらしい。

「ちょっと高血糖」「ちょっと高血圧」「ちょっと高LDLコレステロール」がいちばん危ないというのである。だとすれば、「かくれ糖尿病」についての知識をつけておきたいところだが、そもそも「かくれ」という表現にはどこか曖昧なところがある。

まず気になるのは、20歳のころと比較した体重差ではないだろうか。普段はあまり気にかけないかもしれないが、「昔は痩せていたのに、気がつけば体重が10キロ以上増えていた」という方は意外と多いはずだからだ。

社会人になって以降は、生活リズムの変化や運動不足、ストレス、外食の増加などが原因でじわじわと体重が増えていくのは珍しい話ではないのだ。

基礎代謝(生きているだけで消費するエネルギー)のピークは20代前半といわれているため、20歳の頃と食事量が変わらなければ加齢とともにどんどん太ります。しかし医学的に見ると、20歳からの体重増は慢性疾患のリスクが高まっているサインです。(本書79ページより)

なぜ危ないのかといえば、20歳以降に増えた体重はほぼ内臓脂肪だから。したがって、BMIが正常でも、この10年くらいで数値が上がっている人は注意したほうがよいのである。

そういう人がするべきは、当然ながら体重を減らすこと。とくに生活習慣病のリスクが急激に高まる40〜50代は、体重減の効果を最大限に得られるチャンスであるという。

ただし、気をつけたいのが減らし方。体重を減らす時に大切なのは、急激な減量ではなく「持続可能な減量」です。一般的には半年〜1年で現在の体重の最大5%を目標にするのがよく、例えば80キロなら4キロ、70キロなら3.5キロです。これだけでも血糖値や血圧、脂質が改善し、薬を減らせることもあります。(本書86ページより)

よく知られていることだが、急激に体重を落とすと、体が飢餓状態と勘違いしてリバウンドしやすくなる。筋肉も落ちて基礎代謝が下がるので、かえって太りやすい体質になるのだ。

がんばってダイエットしても、それが生活習慣病を進行させる原因になったのでは意味がない。

なお糖尿病も生活習慣病のひとつだが、ほかの病気と同じように生活習慣だけでは説明できない部分もあり、その原因と考えられるのが遺伝であるようだ。

親が糖尿病の場合、その子どもが糖尿病になるリスクは約3倍に高まるとされ、親族にいると約2倍高まるといわれています。といっても、遺伝的な要素を持っているからといって、必ず糖尿病になるわけではありません。遺伝の影響は3〜4割と考えられます。(本書89〜90ページより)

ただし、そうはいっても楽観的にならないほうがいい。たとえ同じ生活をしていたとしても、遺伝的な要素を持っている人は持たない人にくらべて発症率が高いからだ。30〜40代で発症する人もいるという。

また、合併症が進みやすく、腎臓や神経へのダメージが出やすいともいわれているそうなので注意が必要なのだ。

でも、もし心当たりがある場合はどうしたらいいのだろう。遺伝的な影響があると聞いてしまっては、不安が大きくなっても無理はない。

親や親族に糖尿病の人がいることがわかったら、「人より早めにサインが出た」と受け止めて、これまで以上に検査を怠らないことです。「親が糖尿病だから自分もなる」とあきらめる必要はまったくありません。
いまのところ健診の数値に問題がなかったとしても、これからの検査も細かくチェックしておきましょう。(本書80〜81ページより)

早めに、そして定期的に検査をすることがなにより大切なのだ。もちろん糖尿病以外でも、親や親族に心臓、脳、腎臓の病気がある人がいるなら、念入りに検査をしておくべき。

さらにいえば、必要以上に慌てることなく、冷静さを保つことも重要かもしれない。


『世界中の研究結果を調べてわかった!
糖尿病改善の最新ルール』
坂本昌也 著
1540円
あさ出版

文/印南敦史 作家、書評家、編集者。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年東京生まれ。音楽雑誌の編集長を経て独立。複数のウェブ媒体で書評欄を担当。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)などがある。新刊は『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)。2020年6月、「日本一ネット」から「書評執筆数日本一」と認定される。

 

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