馬といえば、岩手のチャグチャグ馬コ祭りや東山魁夷の名画《緑響く》の白馬を思い浮かべる人、最近では人気のゲーム「ウマ娘」を思い浮かべる人もいるでしょう。

五月人形のうち 飾馬 江戸時代 京都国立博物館蔵

2026年は、60年に一度訪れる「丙午(ひのえうま)」の年でもあります。丙午は、十干の「丙」と十二支の「午」が組み合わさる年で、「火の性質をもつ年」と言われています。それは陰陽五行説によれば、「丙」が「火の兄(え)」の意で「午」が南方にあたることからイメージされたものと思われます。

京都国立博物館で開催の「新春特集展示 うまづくし―干支を愛でる―」は、新春恒例の干支をクローズアップする展覧会で、今回は2026年の干支、午(馬)を多彩な美術品で多方面から鑑賞します。(12月16日~2026年1月25日)

重要美術品 三彩馬俑 中国・唐時代 京都国立博物館蔵

本展の見どころを、京都国立博物館主任研究員の水谷亜希さんにうかがいました。

「京都国立博物館では、毎年干支にちなんだ特集展示を行っています。2026年の干支、午(馬)にちなんだ「うまづくし─干支を愛でる─」では、美術の中に表わされた様々な馬をご紹介します。

みなさんは馬を近くで見たことがありますか? 今は見る機会が減りましたが、昔は、馬は人の身近にいる生き物でした。人を乗せて走ったり、重たい荷物を運んだり、さまざまな力仕事をしていたのです。また、戦で活躍する武将たちにとって、足が速く美しい馬はあこがれの的でした。

重要文化財 駿馬図 景徐周麟賛 室町時代 京都国立博物館蔵

この展覧会では、「あこがれの馬」「かける馬」「いのりと馬」「うまづくし!」の4つのテーマに沿って、博物館が収蔵する作品を展示します。家族で楽しんでいただけるよう、展示室の解説文は子ども向けに執筆し、ワークシートもご用意しました。いずれも日本語・英語・中国語・韓国語でご用意しています。子どもから大人まで、幅広い年代に楽しんでいただける展示です」

楊妃撃丸図(部分) 中国・明時代 京都国立博物館蔵 
賀茂競馬文様小袖 江戸時代 京都国立博物館蔵

様々な形で登場する馬は神々しささえ感じます。会場でじっくりご鑑賞ください。

【開催要項】
新春特集展示 うまづくし―干支を愛でる―
会場:京都国立博物館 平成知新館 2階1~3展示室
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
電話:075・525・2473(テレホンサービス)
公式サイト:https://www.kyohaku.go.jp/
開館時間:9時30分~17時、金曜日は~20時まで(入館は各閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし1月12日は開館)、年末年始(12月29日~1月1日)、
    1月13日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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