写楽の大首絵。(C)NHK

ライターI(以下I):『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(以下『べらぼう』)第46回です。前週に続いて、ついに「東洲斎写楽」の全貌が明らかになりました。視聴者の方々はどう受け止めたでしょうか。

編集者A(以下A):当欄では、蔦重(演・横浜流星)が安徳寺の襖をあけた瞬間から「夢噺パート」に突入したと、勝手に分析しています。ですから、襖を開けた先に松平定信(演・井上祐貴)がいても、違和感なく受け入れています。劇中では、一橋治済(演・生田斗真)と松平定信の権力闘争は、定信失脚という流れになったのですが、定信の反転攻勢がはじまります。なんと定信は、蔦重に対して協力するように求めます。

I:はい。びっくりの展開ですね。

A:松平定信の出版統制によって、蔦重の盟友ともいえる朋誠堂喜三二(演・尾美としのり)らは筆を折り、恋川春町(演・岡山天音)に至っては、不穏な死を遂げました。さらに、市井の女性を描いた『婦人相学十躰』も大ヒットしますが、これも政権から難癖をつけられる。身上半減という罰を受けた蔦重にとって、松平定信は悪魔同然の存在。憎んでも憎み切れない人間からの共闘要請など、即座に断るべきだと感じた人も多いのではないでしょうか。

I:私もそう思いました。でも、最終的に蔦重は「悪魔の定信」との共闘を受け入れます。

A:そして、治済と定信の暗闘は、ついに毒まんじゅうまで登場する事態になります。この毒まんじゅうの登場で、第46回に組み込まれた「裏設定」を感じ取ることができました。平成の政界で活躍した自民党の元幹事長の野中広務さんを思い出してしまったのです。野中氏は、かつて「悪魔」とまで称した政敵に「ひれ伏してでも」といいながら連立を組みました。そして、別の年には、総裁選で他派の候補者に一票を投じた同僚議員に「毒まんじゅうを食らった」と言い放ったのです。

I:それ、おぼろげに記憶にあります。2003年の流行語大賞に「毒まんじゅう」が選ばれたんですよね……。

A:おそらく現在でも権力闘争の渦中では、毒まんじゅうが飛び交っているのではないか? というメッセージを発しているようにも思えるのです。そう考えると、なかなかに深い脚本だと思うのですよ。

毒まんじゅうが配られた!(C)NHK

東洲斎写楽の正体についての一考察。次ページに続きます

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