焼酎お湯割りの最大の魅力は、まろやかさ。香りも飲み口も角がとれ、体にじんわりと焼酎の味わいが沁み入る。湯の温度は高すぎると風味が飛ぶため、60〜70℃を目安に。湯を器に入れたら、はわせるように焼酎を注ぎ、混ぜずにしばし待つと、温度差で対流がおきるため、温度や濃度が均一になる。湯から立ち上る芋の香りと甘みに包まれる3本をどうぞ。

七福嶋自慢【芋焼酎】/新島酒蒸留所(東京都新島村)
芋と麦のいいとこ取り。優しい口当たりでスルスル飲める
25度720mL/2061円
●さつまいも(シチフク)
●麦麴(白麴)
伊豆諸島の北部に位置する新島。シチフクと呼ばれる甘い芋を、麦麴で仕込むことが特徴で、甘さと香ばしさがふわりと広がる。一時期、生産者の減少などで芋焼酎の製造が難しくなったが、平成24年に「七福」と名を改め一新。ゆるりと飲み続けられるおおらかな味は、刺身からパンチのある肉料理まで受け止める。
新島酒蒸留所 電話:04992・5・0016
ひとり歩き【芋焼酎】/古澤醸造(宮崎県日南市)
味と香りのバランスがよく、万人に愛される癒し系
25度720mL/1320円
●さつまいも(ジョイホワイト)
●米麴(白麴)
柑橘のフルーティな香りを放ち、飲むと芋らしい力強さが出てくる。焼酎用に開発された品種、ジョイホワイトの個性を最大限に引き出した味わいだ。「新しい南九州の焼酎として歩んでほしい」という蔵の思いがネーミングに。刺身や蒸し魚、野菜料理、煮物など、普段のおかずに寄り添う味のバランス。キレもよく、飲み飽きないおいしさだ。
古澤醸造 電話:0987・27・0005
サントリー本格焼酎 大隅〈芋〉【芋焼酎】/大隅酒造(鹿児島県曽於市)
ふわっと芳しい芋の香りとさっぱりとした後味を両立
25度900mL/1016円
●さつまいも(コガネセンガン)
●米麴(黒麴)
サントリーグループ「大隅酒造」が手がける本格焼酎。ひと口飲むと広がる甘い香り。コガネセンガンの旨みを感じつつ、口当たりは軽やかだ。鹿児島県の大隅半島で採れた芋を主に、余計な雑味が出る一歩手前の、おいしい部分だけを抽出する“香り厳選蒸溜”により、素材本来の風味を際立たせた。食中酒として飲み飽きない旨さだ。
サントリー 電話:0120・139・310











