
40~50代の女性のなかには、「最近、頭がズキズキ痛むことが増えた」「決まったタイミングで頭痛が起こる」といった“繰り返す頭の痛み”に悩む方が少なくありません。
実はこれ、更年期に差しかかる女性に多く見られる「片頭痛(偏頭痛)」の可能性があります。
「年齢のせいかな」「疲れているから仕方ない」と片付けず、体からのSOSとして受け止めることが大切です。
今回はそんな片頭痛について、漢方の視点から解説します。
あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の研究にも携わる碇 純子さんにお話を伺いました。
Q.最近、頭がズキズキと痛むことが増えました。これって更年期と関係あるんですか?

「はい、あります」と碇さん。
更年期は女性ホルモンのバランスが大きく変化する時期。この影響が、片頭痛としてあらわれることも多いのです。
片頭痛の初期症状とその原因とは?

片頭痛はただの頭の痛みではなく、特定のきっかけや体調によって繰り返し起こる特徴があります。
とくに更年期には、以下のような原因が複雑に絡み合っています。
1.ホルモンバランスの乱れ
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少します。
このホルモン変化が脳の血管を収縮・拡張させ、片頭痛を引き起こす一因に。
2.自律神経の乱れ
ストレスや睡眠不足が重なると、自律神経のバランスが崩れ、血管の調節機能にも影響します。これが片頭痛を悪化させることも。
3.血流の停滞
肩こりや首のこり、冷えなどにより頭部の血流が滞ることで、痛みの引き金になることもあります。
片頭痛の背後にある病気の可能性も

「いつもの頭痛」と自己判断して放置してしまうと、思わぬ病気が隠れている可能性もあります。
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
【チェック項目】
□ 片側だけが強く痛む
□ 閃光やチカチカする光が見える(閃輝暗点)
□ 吐き気や嘔吐を伴う
□ 突然、これまでにない激しい頭痛が始まった
□ 日常生活が困難になるほどの痛み
更年期の片頭痛を和らげるセルフケア

つらい片頭痛。薬に頼りすぎず、日常のなかでできるセルフケアで和らげる方法を取り入れましょう。
1.首・肩を温めて血行促進
ホットタオルや入浴で首・肩まわりを温めることで、血流がよくなり痛みが軽くなることがあります。
2.規則正しい生活を意識する
睡眠、食事、運動のリズムを整えることで、自律神経のバランスを保ちやすくなります。
3.マグネシウム・ビタミンB2を含む食事
ナッツ類、魚、海藻などに多く含まれる栄養素は、片頭痛の予防・軽減に役立つとされています。
4.漢方薬で体の内側から整える
漢方では、片頭痛を「気・血・水」の乱れと捉えます。たとえば、「血の巡り」が悪くなった状態を改善する漢方薬や、「ストレスに弱くなった体」を整える処方など、体質に合わせた対応が可能です。
専門家に相談して、ご自身に合った処方を見つけましょう。
漢方薬は「誰にでも同じように効く」ものではありません。
ご自身の体質や現在の症状に合った処方を選ぶことが、効果的で安全な使用のポイントです。
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更年期世代の片頭痛は体の内側ケアがカギ!

片頭痛は一時的な痛みに見えますが、背景には体の深い部分での変化が潜んでいます。
更年期という変わり目の時期だからこそ、体質そのものを整えることが大切です。
「つらいから」と我慢したり、その場しのぎの薬に頼ったりするのではなく、根本から整える視点を持つことで、頭痛に振り回されない快適な日常を取り戻しましょう。
<この記事の監修者>

碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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イラスト:にゃたり
