日本人の約8割が「疲れている」と回答するなど、疲労は現代的な“国民病”と言われます。仕事や人間関係のストレス、運動や睡眠の不足、スマートフォンへの依存など、様々な原因が指摘されますが、医学的に間違った「食事のあり方」を問題視するのが牧田善二医師です。新著『疲れない体をつくるための最高の食事術』が話題の牧田医師が解説します。

解説 牧田善二(まきたぜんじ)さん(糖尿病・アンチエイジング専門医)

昭和26年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。久留米大学医学部教授などを経て、平成15年、糖尿病などの生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を開業。

鉄の吸収を阻害する添加物を避ける

女性に多い貧血は、だるさ、息切れ、めまいなどの症状を示し、そのまま疲労感に直結します。

貧血の原因はいろいろで、なかには消化器系の病気などが隠れていることもあります。そのため、貧血を指摘されたら、まずは原因の究明が第一です。

とくに重大な病気がないのに起こる貧血の場合、たいていは鉄分の不足によります。

血液中の鉄が不足すると、体の隅々まで酸素を運ぶ力が弱くなり、疲労感や倦怠感に悩まされたり、集中力や思考力が低下したりするのです。

鉄は、赤身の肉や魚、アサリ、納豆、小松菜、キクラゲなどいろいろな食べ物に含まれています。

しかし、貧血になりがちな若い女性ほど、お菓子を食事代わりにしたり、好き嫌いが多かったりと、食生活に問題を抱えている傾向があります。

そこで、貧血による慢性疲労に悩む人は、ある食材に偏るのではなく、いろいろなものをまんべんなく食べるようにしてみましょう。

そのときの「まんべんなく」は、極力、自然な食材にしてください。加工食品をあれこれ食べていたのでは本末転倒です。

というのも、カップ麺などのインスタント食品、ちくわなどの練り物、ソーセージなどの加工肉には、リンという食品添加物が多く含まれます。このリンが、鉄の吸収を阻害すると考えられるのです。

もともと鉄は、吸収率がとても低い栄養素です。

ですから「摂る」ことを考えるだけでなく、阻害する要素を排除していくことが必要になります。

いろいろな食材をまんべんなく食べて、加工食品には手を出さない。これを守っていけば、鉄の欠乏が原因の慢性疲労は克服できるでしょう。

***

世界最新の医学的データと20年の臨床経験から考案『疲れない体をつくる最高の食事術』

現代人の疲れは過労やストレスではなく、「食」にこそ大きな原因がある。誤った知識に基づく食事は慢性疲労ばかりか、肥満や老化、病気をも呼び込む。健康長寿にも繋がる「ミラクルフード」の数々を、最新医学データや臨床経験を交えながら、具体的かつ平易に解説している。

『疲れない体をつくる最高の食事術』
牧田善二/著 四六判208ページ 小学館刊 1650円(税込)

 

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