奈良県にある「ならまち」をご存じですか? 世界遺産である元興寺の旧境内を中心とする地域で、平城京の時代からまちづくりが始まり、当時の道筋をもとに発展した長い歴史を持つエリアです。近鉄奈良駅や奈良公園から徒歩圏内のこのエリアは、奈良観光の中心でもあり、最近は美味しくておしゃれなレストランが増えています。
そこで今回は、サライ.jpで紹介された【「ならまち」を食べ歩く】に取り上げられた美味処をまとめました。長い歴史や特徴を持つ「大和の伝統野菜」や奈良のジビエなど、近郊の食材を使用したお店も多く、奈良ならではの味わいを楽しめます。
電話番号やURL、価格などのデータは変更になっている場合がありますので、ご確認のうえおでかけください。
1:奈良の風土を体現する彩りも豊かな懐石料理|おか田(今御門町)
奈良県の兼業農家で育ち、幼い頃から滋味あふれる奈良の食材を身近に感じてきた店主、岡田直己さんが手がける懐石料理「おか田」。伝統野菜や大和牛、葛、素麺など、奈良には美味しいものがたくさんあることを、国内外の方に知ってほしいと言います。
すっきりと美しい吉野檜のカウンターや、一見簡素に見える輪島塗の椀の蓋裏には大仏の蒔絵が施されているなど、店主の“奈良愛”を感じる演出があちらこちらに。奈良の食材の豊かさや食の楽しみを感じるコースの最後には、岡田さん自らが点てる抹茶もいただけます。
奈良の風土を体現する懐石料理|おか田(今御門町)【「ならまち」を食べ歩く】
2:イタリアの伝統技法と日本の食材が融合する緻密なコース料理|クチーナ レジョナーレ ヤナガワ(芝突抜町)
大正時代の商家を改装したイタリア料理店「クチーナ レジョナーレ ヤナガワ」。店名には「郷土料理」の意味があります。店主の栁川真美さんは、新聞社勤務から専業主婦を経てイタリアに渡り料理修業、帰国後、東京のレストランで研鑽を積み、郷里でこのお店を開きました。
料理は前菜やパスタ、肉料理などのコースのみ。食材の力を最大限に引き出すことに専念し、そのために必要な細かな下ごしらえも手を抜かない。イタリアの伝統料理と奈良をはじめとする日本の食材が結びついた、斬新な郷土料理が味わえます。
イタリアの伝統技法と日本の食材が融合|クチーナ レジョナーレ ヤナガワ(芝突抜町)【「ならまち」を食べ歩く】
3:海外経験もある実力派の、繊細な仕事が施された鮨|ならまち 鮨はなこ(西新屋町)
整体師の資格も持つ異色の鮨職人、松宮はなこさん。大阪府で生まれ、整体師として勤めた後、鮨の調理学校へ入学。大阪をはじめ、シンガポールやオーストラリアでも鮨職人として腕をふるい、帰国後、大阪の鮨店を経て、令和4年に「ならまち 鮨はなこ」を開業しました。
鮨飯は赤酢を使い、握りは小ぶり。繊細な包丁仕事だけでなく、昆布締めや酢締め、漬けといった丁寧で考え抜かれた仕事が施されています。コースによって握りの数が変わるので、お腹の具合で選べますよ。
お値打ち価格で居心地もいい、通いたくなる鮨屋|ならまち 鮨はなこ(西新屋町)【「ならまち」を食べ歩く】
4:伝統技法でつくる本格派フレンチを楽しめる家庭的なビストロ|ラピ ナラマチ(鵲町)
ヨーロッパ旅行で出会ったフランス料理に魅了され渡仏し、パリなどの有名レストランで16年。帰国後、ホテルのレストランで料理長を務めた久岡寛平さんが、自身が生まれ育った奈良に開業したのが『ラピ ナラマチ』。
和歌山漁港から届くホウボウや足赤海老、ムール貝などを用いたブイヤベースや、奈良野菜を合わせた京丹後の鹿のグリルなど、近郊の食材を厳選して駆使しています。ふらりと立ち寄り、料理ふた皿にワインという利用も歓迎とのこと。
伝統的なビストロ料理を気軽に楽しむ|ラピ ナラマチ(鵲町)【「ならまち」を食べ歩く】
5:イタリア全域の郷土料理が味わえる古民家レストラン|カミーノ(福智院町)
奈良公園からも近い福智院町に開業したイタリアン「カミーノ」では、イタリアの北から南まで各地の郷土料理を味わえます。店主の上路勇さんは、イタリア各地で修業を積み、帰国後は東京や軽井沢の店で腕を磨きました。
築100年以上の民家を黒と白を基調にした落ち着いた雰囲気に改装した店舗。メニューはコースのみで、ジェノバの料理もあれば、ナポリの料理もありと、まるでイタリアを縦断するかのような構成。この店に来れば、奈良にいながらイタリア旅行気分を味わえます。
古民家レストランで味わうイタリアの郷土料理|カミーノ(福智院町)【「ならまち」を食べ歩く】
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観光都市として成熟してきたと言われる奈良。長い歴史が育んだ美味しいものを楽しみに訪れてみてはいかがですか?
文/編集部