日本人の約8割が「疲れている」と回答するなど、疲労は現代的な“国民病”と言われます。仕事や人間関係のストレス、運動や睡眠の不足、スマートフォンへの依存など、様々な原因が指摘されますが、医学的に間違った「食事のあり方」を問題視するのが牧田善二医師です。新著『疲れない体をつくるための最高の食事術』が話題の牧田医師が解説します。

解説 牧田善二(まきたぜんじ)さん(糖尿病・アンチエイジング専門医)

昭和26年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。久留米大学医学部教授などを経て、平成15年、糖尿病などの生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を開業。

「超加工食品」は徹底的に減らす

健康意識の高いみなさんなら、加工食品はあまり食べないほうがいいということは理解しているでしょう。

加工食品には、保存料や着色料など、さまざまな添加物が使われており、その安全性はほとんど証明されていません。それどころか、発がん性が疑われるものも多々あります。

加工食品の中でも、とくに加工度合いが高いものを「超加工食品」と呼び、その危険性が指摘されています。

パリ13大学では、2009年から10万人以上を追跡調査した結果、超加工食品の摂取が多い人ほどがんに罹りやすいことを突き止めたと発表しています。

では、超加工食品とはどんなものでしょうか。おそらく、多くの人が「そんなものはたいして食べていないはずだ」と高をくくっていることでしょう。

超加工食品の代表的なものが、カップ麺などのインスタント食品、ポテトチップスなどのスナック菓子です。

大量生産された市販のドーナツ、菓子パン、冷凍ピザ、チキンナゲット、ミートボールなども立派な超加工食品です。

こうした食べ物は、食品会社の工場でつくられた工業製品でもあります。工場のラインをあちこち移動しながら、そのたびにさまざまな加工が重ねられていきます。加工が重ねられるたびに、おかしな食べ物になっていくのです。

ただし、これも先に述べたように、今の時代、コンビニやスーパーの棚は超加工食品だらけで、それらをまったく食べずに暮らしていくのは、現代人にとって困難な一面もあります。

ですから、「食べるな」とは言いません。しかし、自分が口にしているものがなんなのかについて、チェックぐらいはしましょう。そして、それが超加工食品であることに気づいたら、その量を徹底的に減らす方向へと食習慣を見直していきましょう。

そうした意識的な過ごし方こそが、みなさんを本質的に健康にし、慢性疲労から遠ざけていきます。

***

世界最新の医学的データと20年の臨床経験から考案『疲れない体をつくる最高の食事術』

現代人の疲れは過労やストレスではなく、「食」にこそ大きな原因がある。誤った知識に基づく食事は慢性疲労ばかりか、肥満や老化、病気をも呼び込む。健康長寿にも繋がる「ミラクルフード」の数々を、最新医学データや臨床経験を交えながら、具体的かつ平易に解説している。

『疲れない体をつくる最高の食事術』
牧田善二/著 四六判208ページ 小学館刊 1650円(税込)

 

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