今どきの結婚式事情は親世代の頃のものとは大きく様変わりしています。挙式が儀式である本質は同じでも、披露宴に関しては「お披露目の場」だけでなく、親密な人たちとリラックスして楽しむことに重点を置いた場となっています。
このように結婚式の形式や費用のかけ方、ゲストへのおもてなしなど親世代の頃とは異なる部分もありますが、親は柔軟な思考で新郎新婦をサポートしたいものです。
この記事では、親も把握しておきたい今どきの結婚式事情をご紹介します。
目次
今どきの結婚式に関する最新事情
今どきの結婚式の招待状にまつわるよくある疑問
今どきの結婚式での「ご祝儀」の考え方
最後に
今どきの結婚式に関する最新事情
今どきの結婚式に親はどのように関わるべきか、ここでは最新の結婚式事情をご紹介します。
親世代に求められる新しい役割とは?
親世代の頃の結婚式であれば、親が結婚式を取り仕切り、前に出てくるのは自然なことでした。
近年は、新郎新婦が主体となり準備から当日まで進めていくので、親に求められる役割としては新郎新婦をサポートし見守ることでしょう。親族へのお礼やサポートなど、新郎新婦が行き届きにくいポイントを親がカバーするよう心がけておくと、新郎新婦の助けになります。
とはいえ、よかれと思って親があれこれ自己判断で動くことは、トラブルのもとになりかねません。「困ったことがあればいつでも話してね」というように、あくまで見守るスタンスでいることで良好な親子関係が保たれるでしょう。
親の服装のトレンド
親の服装は、以前と変わらず「モーニング」や「留袖」のようなフォーマルな衣装が選ばれています。とはいえ、近年はさまざまなスタイルの結婚式が存在するので、新郎新婦や会場のバランスを見ながら、華美なものは避け品格のある装いを選びましょう。
近年増加傾向にあるカジュアルなウエディングパーティーであれば、父親はダークスーツでも問題ありません。母親はフォーマルなワンピースやセットアップ、スーツなどを着用することもあります。
親の服装選びでは、「式の雰囲気に合わせつつ両家で格を揃えておく」ことが重要です。当日両家がバラバラの衣装で登場しないためにも、事前に子どもを通じて打ち合わせをしておきましょう。
結婚式の費用をどうする?
近年は両家で折半する形が一般的ですが、多くの場合は両家でゲスト数や衣装にかかる費用に差が出てきます。その場合は「ゲストの数割り」にする、新郎新婦各自にかかる費用は「各自が負担」、挙式費用などの「共通部分のみ折半」の方法をとり入れる方も増えてきています。
ご両親の中には、資金援助を申し出る方もいらっしゃいます。ゼクシィ結婚トレンド調査2023の調査では、「親から何かしらの援助があった人」は78.7%で、「受け取った平均額」は新郎新婦合わせて181万1000円という調査結果が出ています。(参考:ゼクシィ結婚トレンド調査2023 報告書【首都圏】)
稀にどちらかの親が全額負担するケースもありますが、そのような場合は「新婚旅行や新居にかかる費用は、結婚費用を負担しなかった側の親が負担する」などの対応でバランスを取ることもあります。後から両家で揉めないためにも、事前に両家で話し合いをした上で決めることが大切です。
今どきの結婚式の招待状にまつわるよくある疑問
招待状は、ウエディングプランナーがお膳立てしてくれることが多いですが、親として招待状準備にどこまで関わるべきか迷う方もいらっしゃるでしょう。ここでは招待状のマナーをご紹介します。
招待状のマナー
招待状の基本マナーとして、招待状の宛名は濃い黒で記入します。毛筆や万年筆、サインペン、筆ペンを使用し、ボールペンはマナー違反になるので避けましょう。記入の際の注意点は、文字の濃さと太さです。細いと未来が先細るイメージが想起されてしまうので、ここでは避けましょう。
結婚が「家と家の結びつき」を意味していた頃は、差出人は親が定番でした。近年では、親が結婚費用を援助する場合や、格式を重んじる家庭の場合は親が差出人となることが多い傾向にあります。親が差出人の招待状の場合は、格調高い言葉でまとめ、文中では子どもたちのことを「○○(新婦の親の名前)の長女△△(新婦の名前)」のように表記します。
両家に習字の得意な親御さんがいらっしゃる場合は、宛名の記入を頼まれることもあります。新郎新婦が多忙であったり、字に自信がない場合は、インターネット上のサービスを利用することもあります。
招待状はいつ出すべきか?
一般的な結婚式の招待状の発送時期は、結婚式の2~3か月前です。お日柄にこだわる方は、その日に合わせて投函されることもあります。
稀にチェックリストから漏れていたことにより、特定のゲストへの発送を失念してしまう方がいらっしゃいますが、招待状をぎりぎりに送ることは大変失礼なことです。相手に「数合わせで招待された」と思わせてしまう可能性があるので、親が二重でチェックリストを確認しておくと安心でしょう。
招待状に記載すべき内容
招待状に記載する内容は、主に以下の7点です。
1:挨拶文
2:媒酌人の名前(媒酌人がいる場合)
3:結婚の報告
4:新郎新婦の名前
5:結婚式の情報
6:新郎新婦の名前もしくは親が差出人の場合、両家の親の名前
7:返信の締切り日について
上記の構成に沿って、句読点を付けずに仕上げましょう。
今どきの結婚式での「ご祝儀」の考え方
ここでは、今どきのご祝儀の渡し方や相場をご紹介します。
ご祝儀の渡し方
基本的に、ご祝儀は当日持参し受付で渡します。親族や家族間のルールによっては、ご祝儀はなるべく事前に新郎新婦に手渡しする方がいいとされているケースもあります。
ご祝儀は受付でふくさから取り出して上に載せ、正面が受付者に向くように時計回りで渡しましょう。回し方が反対(反時計回り)だと、お悔やみ時のマナーとなってしまうので注意が必要です。
ふくさを準備される方は少数かもしれませんが、ご祝儀を丁寧に扱うことは相手への気持ちの表れです。ご祝儀を渡す際は無言ではなく、一言添えると好印象を与えます。
現代のご祝儀相場
ご祝儀といえば「3万円」が定番のイメージですが、その金額はバブル期の頃から変わっていないといわれています。それぞれの事情や立場によって金額が異なることもありますが、基本的には今も「3万円」が定番です。
なお、主賓の場合は、一般的なご祝儀より多めの「5~10万円」程度のご祝儀を用意することがあります。理由としては、主賓は他のゲストより高額の引き出物などの特別な配慮をされていることが予想されるからです。
親から結婚資金の援助がない場合は、親からもご祝儀を渡します。一般的なご祝儀より多めの金額で、「10~30万円」ほどを目安に包む方が多いですが、特に金額に決まりはありません。
最後に
結婚式は新郎新婦だけでなく、両家の両親にとっても一大イベントです。今どきの結婚式事情を理解しつつ、親として大切にしたいことがあれば、準備段階で子どもと話し合いができていると双方にとって満足のできる式になるでしょう。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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