親も知っておきたい！「結婚祝い金」の贈り方とマナーを解説【婚礼の作法】

近年では結婚式の形式も多様化しており、結婚式を挙げない選択をする夫婦も増加傾向にあります。結婚式に出席するのであれば「ご祝儀」として渡すお祝い金ですが、式を挙げない場合でも「結婚祝い金」としてお金を包むケースが定番になりつつあります。

「ご祝儀」も「結婚祝い金」も、どちらも結婚をお祝いする気持ちとして渡すお金のことを意味します。近年はさまざまなことが簡略化されつつある風潮ですが、親であればお祝いごとのお金に関するマナーは把握しておきたいものです。

この記事では、結婚祝い金の贈り方やマナーをご紹介します。

目次
結婚祝い金の贈り方とは？
結婚祝い金を贈る方法とマナー
結婚祝い金に添える心のこもったメッセージ
結婚祝い金を贈る際の注意点
最後に

結婚祝い金の贈り方とは？

結婚祝い金の贈り方は、基本的には「結婚式を欠席する」「式に招待されていない」「結婚式を挙げない」というように結婚式の状況次第といえます。お祝い金の贈り方は状況によりさまざまで、詳細は以下の項目で解説しますが、親世代の頃では見られなかった方法も存在します。

結婚祝い金は、新たな人生をスタートさせる夫婦への祝福の気持ちをあらわすもの。お祝いなので強制ではありませんが、人と人とのつながりを大切にするためには重要なものでしょう。

現代のご祝儀の定番である３万円を包む習慣の歴史は浅く、バブル期の頃に登場したとの説があります。ご祝儀の相場は当時から変化していません。バブルの頃と今では婚姻率や経済状況も異なるので、ネット上では「ご祝儀の相場も変わるべきだ」との意見も見受けられます。

結婚祝い金の相場

結婚祝いの相場といえば、多くの方は３万円を想像するでしょう。偶数は「割り切れる」を連想させることから、奇数の金額を包むのが一般的です。とはいえ、偶数である「２」に関しては「二重の喜び」や「ペア」を連想させるといわれており、縁起の悪い数字ではないので問題ありません。

金額は付き合いの深さで変わりますが、以下でそれぞれの場合のご祝儀の相場をご紹介します。

（１）結婚式を挙げる場合

友人や会社の同僚：３万円
会社の上司：３～５万円
兄弟姉妹５～10万円
いとこ：３～５万円

（２）結婚式を挙げない場合

友人や会社の同僚：５千～１万円
会社の上司：１万円～３万円
兄弟姉妹：５～10万円（兄弟姉妹の場合、身内なので挙式の有無はご祝儀には影響しないことが多い）
いとこ：１～２万円

結婚祝い金を贈る方法とマナー

結婚祝いは持参するのが基本とされていますが、時代の変化とともに結婚祝い金を贈る方法も多様化しつつあります。ここでは、結婚祝いを贈る方法をそれぞれご紹介しましょう。

現金書留での贈り方

結婚式を急遽欠席する場合や遠方で手渡しが難しい場合は、現金書留を利用するのが一般的です。新札とご祝儀袋を準備し、上包みの表書きに名前、中袋には金額や氏名、住所を記入します。専用封筒にご祝儀袋を入れたら完了です。

直接手渡しする場合の心得

ご祝儀を手渡しするタイミングは、仕事外の時間や家にお伺いして渡すのが一般的です。個人的に渡すことを心がけ、他人の目の前で渡すのは避けましょう。

ご祝儀袋をふくさで包み、丁寧に渡すことが大切です。ふくさとは、ちりめんなどでできた四角い布のことです。中のものが汚れないためのものですが、「丁寧に扱っている」ことを相手に示す役割もあります。お悔やみ時にも使用しますが、お祝いごとにはピンクや朱色などの明るいものを使用しましょう。

慶事のふくさの包み方は、左側に袋を置いて、左側を被せます。その次に上、下、最後に右を被せ、最後に折り目が左側にくるようにします。ふくさがない場合は、風呂敷やハンカチでも代用可能です。

デジタル送金の活用法

キャッシュレス化が進んだ近年では、結婚祝い金に関しても「電子マネーでの送金」を採用する方法もあります。主な手段は以下の方法です。

１.新郎新婦があらかじめデジタル送金方法を指定している場合

招待状に記載されたQRコードを読み込み、新郎新婦に送金

２.贈る側に事情があり、個人的に送金する場合

受け取る側にとっては、「当日大金を管理しなくていい」「受付係が不要」というメリットがあります。贈る側にとっては、ご祝儀袋や新札を準備する手間が省けるため、忙しい人にとっては有難いサービスです。

しかし、人によっては「準備する手間もお祝いの気持ちの一部」と考える方もいらっしゃるので、個人的に利用する場合は相手の雰囲気を見て判断するといいでしょう。キャッシュレスが進む現代ですが、親としては手渡しの方が温かみを感じるかもしれません。

結婚祝い金に添える心のこもったメッセージ

ご祝儀を郵送で贈る際には、手書きの手紙またはメッセージカードを別便か同封して添えることが一般的です。

ここでは、結婚祝い金に添える相手別メッセージ例をご紹介します。

目上の方へのメッセージ例

「△△さん　この度はご結婚おめでとうございます　気持ちばかりではありますが結婚祝いを贈らせていただきます　末永くお二人の幸せをお祈りいたします」

友人や同僚へのメッセージ例

「〇〇ちゃん　ご結婚おめでとうございます　せっかく招待していただいたのに出席が叶わずごめんなさい　〇〇ちゃんのドレス姿を楽しみにしています　アルバムが完成したらみせてくださいね　どうぞ末長くお幸せに」

結婚祝い金を贈る際の注意点

どのような贈り方にするとしても、お祝い金を包むマナーには共通して、いくつか注意点が存在します。

お札は新札を準備し、肖像が印刷されている面を上になるよう入れます。弔事とは入れ方が異なるので注意しましょう。結婚祝いの場合は、紅白か金銀の水引を選び、「結び切り」を使用します。「ほどける」を連想させる蝶結びは結婚祝いにはマナー違反になります。

袋は金額が高いほど豪華な袋を選びます。流行のデザインやカラフルなものは目上の人には避けるなど、金額と相手の立場に見合ったものを選びましょう。

最後に

地域によっては、結婚祝い金の相場やマナーが異なるケースもあります。親であれば、渡す立場にも受け取る立場にもなりえますが、特に親が結婚祝いを渡す際には、相手の立場や自分の関係性を意識することが重要です。

大切なのはお祝いする気持ちです。お祝い金を贈るだけでなく、気持ちを込めたメッセージを伝えるなど、プラスアルファの行動をすることで相手により気持ちを伝えることができるでしょう。

監修／トップウエディング　https://top-wedding.jp/

構成・執筆／吉川沙織（京都メディアライン）
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