保険には、「主契約」と「特約」があります。「主契約」は保険の基本となる保障部分で、「特約」は主契約に追加して契約者のニーズに応じた保障を付加するオプションです。人によっては、複数の保障内容を必要とするケースが考えられ、一つの保険に別の保障内容を追加することができるケースがあります。今回は、「特約」の追加について詳しくみていきましょう。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
今入っている保険に特約は追加できる?
追加できないケース
特約を追加する流れ
特約を追加するメリット・デメリット
まとめ
今入っている保険に特約は追加できる?
保険では、主契約(基本となる保障)に特約(基本以外の保障)を追加することを「特約の付加」、契約期間の途中で特約を追加することを「特約の中途付加」と言います。
保険は加入する際に特約があらかじめパッケージ化されていたり、自分のニーズに合った保障を特約として選択するケースがあったりと様々です。
では、今入っている保険に特約は追加できるのでしょうか?
今入っている保険に特約が追加できる例
今入っている保険に特約を中途付加できるかどうかは、加入している保険の種類や商品の内容によって異なるため、一概に「どの保険にはどの特約を中途付加できる」とはいえません。
ここでは、代表的な例を挙げておきます。
<終身保険に追加できる特約>
医療特約:入院、手術、通院に対して給付金が支払われる医療保障の特約です。
災害割増特約:事故や災害での死亡・高度障害時に、通常の保険金に加えて、さらに追加の保険金が支払われます。
介護特約:介護が必要になった場合に給付金が支払われます。
リビング・ニーズ特約:余命6か月以内と診断された場合、死亡保険金の一部を生前に受け取ることができます。
定期特約:定期保険の保障を上乗せすることで、死亡時の保険金を必要保障額に合わせることができます。
<定期保険に追加できる特約>
定期保険も終身保険も「死亡保障」の保険であるため、定期保険に中途付加できる特約は終身保険に中途付加できる特約とほぼ同じです。
定期保険の場合、保険期間が決まっているため終身保障の特約を付加することはできません。
<医療保険に追加できる特約>
医療保険の主契約は入院したときの保障と手術を受けた時の保障であることが一般的です。医療保険に中途付加できる特約は、医療に関する保障を強化する目的のものがほとんどです。
がん特約:がんと診断された際に給付金が支払われる特約です。
先進医療特約:先進医療を受けた際の費用を給付金として支払います。
通院特約:通院治療にかかる費用を補填します。
生活保障特約:被保険者が死亡や高度障害となった場合の死亡保険金を年金形式で指定した満期まで給付します。
女性疾病特約:女性特有の病気に対する保障を強化する特約です。
追加できないケース
特約が追加できないケースには、主に次の3つの理由が考えられます。
1.商品の内容に中途付加したい特約がない
保険の商品内容は保険会社が決めており、用意されている特約の種類は保険商品ごとに異なります。商品内容に中途付加したい特約がないケースが考えられます。
例えば、がん保険に抗がん剤治療の保障を追加したくても、商品内容に抗がん剤治療給付金の特約がないといったケースです。
2.告知内容によって引き受けられない
特約の中途付加申込書には、告知事項という健康状態に関する質問票があります。告知の内容から、健康状態によっては特約の中途付加が認められないケースがあります。
3.期間に限度がある
特約は80歳までや85歳までというように、契約期間に年齢の制限があるものが含まれます。定期保険に追加する特約は、定期保険が期間満了時に自動更新する場合、特約部分も自動更新となりますが、年齢の制限に達するとそれ以降特約の保障を継続することができません。
特約を追加する流れ
今入っている保険に特約を中途付加する流れは、以下のようになります。
1.保険会社への確認
まず、契約している保険会社に連絡し、特約の中途付加が可能か確認します。
2.必要な書類の準備
付加する特約に応じて、必要な申込書類を準備します。申込書類には告知事項という、健康状態に関する質問票が含まれます。
3.申込み手続き
特約を付加する旨を申込み、必要書類を提出します。この際、保険料の変更や追加についても説明を受けます。
4.審査
保険会社で告知事項をもとに審査が行なわれます。健康状態や契約内容によっては、承認されない場合もあります。
5.契約内容の確認
特約の追加が承認されると、契約内容の変更通知が届きます。新しい保険証券や契約内容を確認します。
6.保険料の支払い
特約追加に伴う保険料の変更があるため、支払い方法を確認し、必要に応じて手続きを行ないます。
以上の流れを参考にしながら、具体的な手続きは保険会社の指示に従って申し込みましょう。
特約を追加するメリット・デメリット
今入っている保険に、特約を追加するメリットとデメリットは次のようなものがあります。
メリット
保障の強化:基本の保険に加えて、必要な保障を追加できるため、一つの保険で様々な保障を準備することができます。
選択肢の拡充:自分のライフスタイルやリスクに応じて柔軟に対応できます。
安心感:特定のリスクに対する保障が得られることで、精神的な安心感が得られます。
デメリット
保険料の増加:特約を追加することで、月々の保険料が増えます。
保障内容の複雑化:契約内容が増えるため、加入している保障内容の理解が難しくなることがあります。
必要性の見極めが必要:自分に本当に必要な特約かどうかを判断する必要があります。
これらのメリットとデメリットを考慮して、特約の追加を検討するといいでしょう。
まとめ
基本的に特約は、契約期間の途中で追加することができますが、健康状態や年齢などを理由に追加できないケースもありますので、自分にとって必要な保障がどのようなものなのかを把握することは、なるべく早い段階で行なうといいでしょう。
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
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