最近の結婚式は「親族だけの少人数婚」や「会費制のパーティー」というような挙式形式の多様化に伴い、家族もゲストとして扱われるなど、披露宴での席次の形式も変わりつつあります。

現代の結婚式においては、新郎新婦の考えを尊重する傾向にありますが、席次は「ゲストへの礼儀」として心得ておきたいルールが存在します。ゲストの顔ぶれを思い浮かべながら席次を決めることは、わざわざ時間を取ってくれたゲストへの敬意を示し、楽しい時間を過ごしてもらうための配慮といえるでしょう。

本記事では、披露宴での席次の決め方や席次表の作成方法をご紹介します。

目次
結婚式の席次とは?
グループごとに席次を決めるポイント
ゲストの状況によっては臨機応変な対応を
席次表の作成方法
最後に

結婚式の席次とは?

結婚式の席次とは、披露宴でのゲストの席順のことです。肩書や年齢など、さまざまなことを考慮した上で決定する必要があります。

席次の基本は、上座と下座です。上座とは、新郎新婦の座るメイン席に近いテーブルのことです。下座は、出入口に近いテーブルのことを指します。テーブル内にも上座と下座は存在し、高砂席(たかさごせき、新郎新婦が座るメインテーブルのこと)に近い席ほど上座となります。

一般的な披露宴の席次は大きく分けて2種類あり、丸テーブルと長テーブルのケースが多く見受けられます。ここではそれぞれの席次の特徴をご紹介します。

丸テーブル

多くの披露宴で見られるのが円卓の形式です。円卓はゲスト同士の顔がよく見え、テーブル内での会話がしやすいのが特徴です。

向かって左側が新郎側ゲスト、右側が新婦側ゲストとなり、新郎新婦の高砂に最も近いテーブルが「主賓や職場関連のゲスト」となります。それに次いで「友人グループ」、最も出入り口に近いテーブルは主催者側の人間とみなされる「親族・家族席」で構成されています。

長テーブル

皇室の晩餐会でも用いられており、海外風のウエディングパーティーを希望する方がよく選ばれるのが長テーブルの形式です。丸テーブルほど場所を取らないので、ゲスト数が多い場合に取り入れるレイアウトになります。

丸テーブルと同様、新郎新婦のメイン席に近い場所が上座、最も遠い場所が下座です。長テーブルを両家それぞれ複数用意する場合は、中央の2テーブルの最前列を上座として、上から順に主賓クラスや上司を配置していきます。親族や家族は、高砂席から遠い両脇のテーブルの最後の方に座るのが一般的とされています。

長テーブルの性質上、会話できる人は両隣や向かいの人に限定されるため、人間関係を確認しながら配席することが大切です。

グループごとに席次を決めるポイント

ゲストによっては、席次の順序を気にされる方もいらっしゃいます。グループによっては肩書を気にする必要がないこともありますし、肩書だけでなくゲスト同士の相性も気にすることも大切です。

職場関係者のテーブル内に同じ役職の上司が数人いる場合は、社歴が長い方を優先するのがマナーとされています。上司の中には、年齢が若いけれど肩書が一番上であるケースもあります。例えば、社長は40歳で係長が50歳の場合は、肩書を優先させて40歳の社長が上座に配席するのが一般的です。社歴が同じ同期の場合は、上座・下座にとらわれずに親しい人同士を隣に配席しましょう。

友人テーブルには上座・下座という概念はなく、皆が楽しめる空間作りを心がけましょう。友人グループといえども、中には微妙に相性が悪い人同士がいることもあります。そのような場合は「テーブル内でも距離を取る」「別テーブルにする」などの方法で対処しましょう。職場の同僚と友人は同等となるので、人間関係を重視して席を決めます。

親族の場合は、基本は「年長者」や「新郎新婦と関係性が薄い親族」を上座にします。しかし、必ずしも忠実にルールを守る必要はなく、それぞれの事情を優先しましょう。例えば、体の不自由な祖父がいる場合は、下座にあたる扉の近くの席に決めておき、隣には普段からお世話をしている人を配席しておくなどの配慮が必要です。親戚の事情は新郎新婦より親の方が詳しいので、親子で相談できると安心でしょう。

ゲストの状況によっては臨機応変な対応を

披露宴では基本の席次ルールは存在しますが、重視したいことは「ゲスト同士が快適な空間を作ること」ではないでしょうか。

ゲストの顔ぶれによっては、上座・下座にとらわれずに「社交的な人を各テーブルに一人は配置する」など、披露宴が楽しい時間となる工夫が必要です。

ここでは、事例ごとの対処法をご紹介します。

子連れ

幼い子連れゲストの場合は、両親の間に子どもを配席し、出入口に一番近い席にするのが基本です。子どもが退屈しないために、おもちゃのプレゼントを席に置いておいたり、タブレットを準備し動画が見られるようにされているケースもあります。

出入口に近い席であっても、大きな音が出る機材や余興スペースの近くの席は、子どもが驚いてしまう可能性があるので避けた方が無難でしょう。また、ビュッフェがある披露宴では料理の近くは避けるなど、危険を想定した席決めが必要です。

一人で参加

ゲストの中には知り合いがいない中、一人で出席される方がいらっしゃることもあります。その場合は、気さくな人を隣に配席したり、同じく単独のゲストを隣同士にすることもあります。

幼なじみなどで、昔から家族と交流があるゲストの場合は、家族席に配席するのもいいでしょう。珍しいことではありますが、主催者側のおもてなしの気持ちが相手に伝わるでしょう。 

グループが一つのテーブルにおさまらない

基本はグループ単位のテーブルが基本ですが、両家のゲストに差があることもあります。その場合は、相手側のテーブルにゲストを組み込むことも珍しくありません。

特に、友人ゲストの人数を完全に一致させることは難しいものです。両家が納得しているのであれば、テーブル内に両家のゲストが混じっても問題ありません。その場合、相手のゲストテーブルに入る予定のゲストには、あらかじめ説明しておくと丁寧です。

席次表の作成方法

席次を案内する席次表の作成方法は大まかに分けると3つあり、「会場提携業者に依頼」「外部業者に依頼」「手作り」に分かれます。「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(首都圏)」によると、挙式した方の32.9%が席次表の作成を「会場提携業者」に依頼していました。次いで多かったのは「外部業者にすべて頼む」が28.6%、「手作り」が26.7%という結果となりました。

節約を取るのか、時間を取るのか、それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分たちに合う方法を見つけましょう。いずれの場合でも、親は親族の名前に間違いがないかの確認作業は必要です。

ここでは、席次表の作成方法をそれぞれご紹介します。

1.会場の提携業者に依頼

「会場の提携事業者」に依頼する場合は、プランナーとの打ち合わせを兼ねることができるので、負担がかからないのは嬉しいポイントです。席次に関する知識を把握しているプランナーが助言してくれるので、安心して任せることができます。

デメリットとしては、一部当たりの平均費用がおよそ741円と高く、選べるデザインに限りがあります。席次表に強い希望や時間的な余裕がない方であれば、式場に一任できるのは魅力的です。

2.外部業者に依頼

会場提携外の業者に依頼した場合の平均価格はおよそ302円です。会場の提携業者と比較すると、デザインが豊富なケースが多いですが、自分たちで納期や手配をしなければいけないのでスケジュール把握する必要があります。会場によっては、持ち込み料がかかるところもあるので注意が必要です。

3.手作り

新郎新婦の希望を盛り込める手作りの席次表の場合は、準備が大変な分、一部当たりの平均費用はおよそ104円と業者と比較すると安価となります。 

費用は大幅に削減できますが、マナーの知識のみならずデザインの選定が必要なので、想定以上に準備に時間がかかることもあります。中には親も協力し、親子二人三脚で準備を進める方もいらっしゃいます。

最後に

席次は、長時間になる披露宴が快適に過ごせるかどうかに関わる重要なものです。ゲストによっては「席次は順序がつくもの」と認識されている方もいらっしゃるので、ゲストに失礼のない席次を決めていきましょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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