我が子が人前式をするとなると、「今時の人前式はどれくらいの金額がかかるのだろう?」と思う方は多いのではないでしょうか。
最近の結婚式準備は新郎新婦が主体とはいえ、親が資金援助するケースは多いようです。実際に結婚した方の78.7%は、親から資金援助を受けており、援助の平均金額は181万1000円という結果になりました。
(参考:「ゼクシィ結婚トレンド調査2023【首都圏】」)
親が結婚資金の援助を検討している場合、その援助額について参考にするためにも、人前式の相場を知っておきたいものです。
本記事では、近年増加している人前式の相場や注意点をご紹介します。
目次
人前式の金額とは?
人前式は必ずしも低予算とは限らない
人前式の注意点
最後に
人前式の金額とは?
人前式はゲストを結婚の証人とし、格式や宗教にとらわれない式のこと。自由な演出を取り入れることができるので、近年人気の高い挙式形式です。
「人前式の金額」とは、挙式のみにかかる費用をまとめたもの。厳密な定義は存在しませんが、一般的には、
1:会場使用料
2:演出にかかる費用
3:司会者費用
を総じて「挙式費用」とします。
人前式の金額は、会場や演出の内容次第で金額が大きく異なるものです。
ここでは、人前式にかかる費用を項目ごとにご紹介します。
1:会場使用料
一口に会場使用料といってもその幅は広く、およそ5万~50万円程度に設定されているところが多いようです。たとえば、歴史的価値のある施設の会場使用料であれば50万円でも、海辺での挙式であれば5万円のこともあります。
場所によって挙式料を大幅に抑えることはできますが、殺風景な会場だとゲストに「予算削減に走ったな……」と思われる可能性もあります。会場がシンプルな場合でも、披露宴でのもてなしに工夫を凝らすことで、全体のバランスを取ることが大切です。
2:演出にかかる費用
演出にかかる費用とは、「式場をキャンドルで埋め尽くしたい」とか、「野外の式でゲストに風船を持ってもらいたい」などといった式中の演出にかかるもののこと。例えば、ゲスト全員に何かしらのアイテムを持っていただきたい場合は、「ゲストの人数×アイテム費用の数百円」という計算方法になります。
演出にかかる費用の中には、式中で使用するリングピローや結婚証明書のような小物類も含みます。持ち込み可能な会場もあれば、持ち込み不可もしくは持ち込み料がかかる会場も存在するので、注意が必要です。
3:司会者費用
人前式の司会者は、プロもしくはゲストのどちらかに依頼します。プロに依頼する場合は、司会料がおよそ2万~10万円程度必要です。
ゲストに司会を依頼する場合は、後からお礼を渡しましょう。厳密な決まりはありませんが、ゲストへのお礼は品物か現金で、相場はおよそ3万円程度といわれています。それに加えて、ご祝儀も辞退するのが一般的です。親からも一言お礼を伝えておくと、丁寧な印象を与えるでしょう。
ゲストが司会を務めると和やかな雰囲気にはなりますが、不慣れな式ではぎこちない進行になることもあります。例えば、司会を依頼したのが普段話すのが得意な友人ゲストだったとしても、とっさの判断が難しい場合もあります。
司祭のような、式を取り仕切る役割の人物が不在の人前式において、司会者は式の雰囲気を左右する重要なものです。ゲストに負担をかけないためにも、司会はプロに依頼することを検討されてみてはいかがでしょうか?
人前式は必ずしも低予算とは限らない
人前式は、神前式や教会式のように聖歌隊や演奏者のような役割は必須ではありません。それ故、人前式は他の挙式形式と比較すると「必要経費がない分、低価格で叶えられる式」と認識されています。
実際に、2023年に人前式を挙げた方の挙式費用は、以下の通りです(※以下の金額は、挙式のみの費用となります)。
・10万円未満…4.4%
・10万〜20万円未満…26.5%
・20万〜30万円未満…25%
・30万〜40万円未満…20.6%
・40万〜50万円未満…4.4%
・50万円以上…19.1%
首都圏の人前式の平均費用は35万8000円とされています。この結果を見ると「人前式でも意外と費用がかかるな」という印象を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか?
人前式の内容によっては、他の挙式形式より高額になるケースも珍しくありません。このことから、必ずしも「人前式=低予算」となるわけではないことが見受けられます。
人前式の注意点
結婚式の主役は新郎新婦ですが、二人の自己満足で終わるのは避けたいもの。特に、人前式は決められた進行がないからこそ、ゲストとの間に温度差が生まれないよう配慮が必要です。
ここでは、人前式での注意点をご紹介します。
ゲストに趣旨を説明
ゲストが人前式の趣旨を理解しないまま終わってしまうと、会場が微妙な雰囲気になり、ゲストはいまいち感動できないかもしれません。それを避けるためにも、式のはじめに司会者から「式の趣旨と進行の流れ」を説明してもらうといいでしょう。
年配の親族の中には「人前式は未経験」という方がいらっしゃるかもしれません。親族には、事前に親から式の内容を説明しておくと、相手も心の準備ができるでしょう。ゲストが結婚の証人となる人前式だからこそ、ゲストの顔ぶれを考えて構成し、きちんと説明し理解を得ることが大切です。
感謝を伝える
人前式とはいえ、あまりにも気楽な印象をゲストに与えてしまうのは考えものです。儀式としてメリハリをつけ、ゲストへ感謝を伝える心遣いが垣間見えると好印象を与えます。
ゲストへの感謝を伝える方法として、誓いの言葉に感謝を含める、共同作業の演出を取り入れるといった方法があります。一方的に新郎新婦の演出を見てもらうだけでなく、ゲストとともに楽しむことができるのも人前式の醍醐味といえるでしょう。
最後に
親が結婚資金を援助する際、参考にしたいのが式場の見積もりです。会場にもよりますが、一般的に結婚式の見積もりは「後から値上がりする傾向にある」といわれています。
しかし、後から加算されていくと内容を妥協したり、プランナーへの不信感につながることがあるかもしれません。見積もりは、初期段階で希望を反映させておきましょう。そのためにも、式場探しの段階で、親子でどのような結婚式にしたいか、イメージを共有することが大切になります。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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