取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

一緒にいるときはその存在が当たり前で、家族がいることのありがたみを感じることは少ない。子の独立、死別、両親の離婚など、別々に暮らすようになってから、一緒に暮らせなくなってからわかる、家族のこと。過去と今の関係性の変化を当時者に語ってもらう。

国立社会保障・人口問題研究所が発表した2024(令和6)年推計の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、未婚の割合は、男性が2020年の34.6%から2050年には36.5%に、女性は2020年の24.8%から2050年には27.1%になると予想されている。

次いで、株式会社しんげんが運営する主婦向けの情報メディア「SHUFUFU」で行われた「結婚願望がない女性」に関するアンケート調査(実施日:2024年4月、有効回答数:200人、インターネット調査)を見てみると、「結婚願望がない理由は?」との問いに対して、1位は「誰かと一緒に生活するのが苦手・不安(57.5%)」、2位は「生活の自由を制限されたくないから(45.5%)」となっていた。同質問では「異性に興味がないから」との回答も全体の10%の割合となっていたが、今回お話を伺った香菜さん(仮名・41歳)も小さい頃から異性、同性関係なく恋愛に興味がなかった。あまりに恋愛に興味を示さなかったからか、母親からはルームシェアをしていた女友だちとの仲を疑われたこともあったという。【~その1~はコチラ

親が娘に代わって婚活イベントに申し込む

母親の偏見を感じてから仕事を言い訳に帰省する頻度を徐々に下げていったという香菜さんだったが、親は執拗に帰省を求めてくる。その理由は、香菜さんの結婚への過干渉だった。

「『いい人いないのか』というものから始まり、『自力で無理そうなら結婚相談所などを考えてなさい』と干渉はエスカレートしていきました。ここで結婚するつもりはないと言えればよかったのですが、また変な誤解をされるとやっかいなので、そうだねと適当に返答していました」

香菜さんが30歳を超えたとき、両親は強行手段に出る。

「実家のある自治体が行なっている婚活パーティーに、私の名前で勝手に申し込んでいたんです。そのパーティーは、男性は居住地がその自治体のある市や隣接市ではないといけないのですが、女性は年齢条件を満たしていて未婚であれば申し込みができるというものでした。すでに当日に持っていくプロフィールカードのようなものが家にあり、仕方なくその会には参加しました。もちろん親が喜ぶような展開には一切なっていません」

一度親の言うことに従い参加したことで、さまざまな自治体や仲人協会、地域のボランティアが行なっている婚活イベントにも参加を強要されるようになったという。そのときに香菜さんは自分に結婚の意思がないと伝えた。

「『あなたはどこかがおかしい』と言われました。結婚願望がないことについてなぜと問い詰められたことで、『恋愛もしようとも思わない』ということを伝えてしまったら、その言葉が返ってきたんです。

親からは『男性と深く関わっていないから』と原因を決めつけられて、婚活イベントへの参加がより強要されるようになりました」

【辛い人からは離れる。親でも同じ。次ページに続きます】

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