我が子が結婚式を行なう場合、親はどこまで関わるべきなのでしょうか? 親世代の頃の結婚式は、どちらかと言えば「結婚式は親のためにやるもの」という風潮でした。そのような背景から、親は積極的に結婚式準備に携わり、子どものためにお膳立てしてあげることが一般的であった印象です。
近年は、時代の流れと共に、新郎新婦が主となる形式が一般的です。とはいえ、子どもに任せっきりにするのが正解なのでしょうか? 何でもかんでも、親が首を突っ込むわけにはいきませんが、親子で最低限のことを相談できていると、ゲストに失礼のない結婚式を叶えることができます。
本記事では、結婚式までの基本的なスケジュールや、親が関わるべきポイントをご紹介します。
目次
結婚式までのスケジュールとは
親が関わっておきたい項目
こまめなコミュニケーションで円満な結婚式準備を
最後に
結婚式までのスケジュールとは
結婚の挨拶や両家の顔合わせが終われば、いよいよ結婚式の準備を始める方も多いのではないでしょうか? 最近の結婚式準備は、親が先頭に立って、式の準備に携わるケースは少数派でしょう。しかし、親が結婚式までのスケジュールをある程度把握しておくことで、「そろそろ〇〇を決める時期かな」と想像することができます。
個人差はありますが、一般的には1年前から準備を進める方が多い印象です。
【1年前】
おおよそのゲスト人数・日程・会場決定
【半年~3か月前】
結婚式の打ち合わせが本格スタート。披露宴の演出・新郎新婦の衣装決定・招待状発送
【2か月前】
ゲストの席次、ゲスト分の宿泊や交通手配、引き出物、親の衣装決定
以前であれば、打ち合わせに親が同席する時代もありました。近年は、ウエディングプランナーと新郎新婦で打ち合わせを行なうので、親が打ち合わせに同席するのは非常に稀なケースです。その分、親として気になることがある場合、事前に親子で情報共有しておくことが大切になります。
親が関わっておきたい項目
結婚式において、親は新郎新婦同様「主催者の立場」になります。新郎新婦がメインに準備を進めるといっても、親は蚊帳の外というわけではありません。ゲストに気分よく式に参加してもらうためにも、親子での相談は必須と言えるでしょう。
ここでは、親が新郎新婦と共有しておきたい項目5つをご紹介します。
1:ゲストの選定
式場を決める前に、両家間でおおまかにゲストの人数を決めておかれることをおすすめします。なぜなら、会場によっては希望する規模の人数が入りきらない可能性があるからです。会場を先に決めて、後からゲストが入らないとなると、再び会場探しを始めなければなりません。手間を省くためにも、会場探し前にゲスト数の目処を立てましょう。
特に、親族ゲストに関しては親がメインになりたい部分です。子どもが「親戚はここまでの招待で」と考えていても、親戚間の暗黙の決まりごとがあることも珍しくありません。例えば、「従姉妹の結婚式に招待されたのに、こちらが招待しないのは失礼にあたる」などという事情がある場合もあります。
招待が本決定になった時点で、親族への連絡は親から行なうのがスムーズです。子ども同士が仲の良い従姉妹などの場合は、子ども本人から連絡するのが自然でしょう。
両家のバランスも出来る限り揃えておくと理想的です。例えば、「片方が親族が多いのに対して、もう片方は親族がほとんどいない」「新郎側は友人メインで、新郎側は親戚メイン」のようなケースでは、アンバランスな印象になります。できるかぎりバランスよくゲストを選定しましょう。
2:会場決め
会場決定の際、新郎新婦目線では、会場の雰囲気ややりたいことができるかが重要視されがちです。それも大切ですが、「ゲストにとって会場が快適なものかどうか」で判断することも忘れてはいけません。
親族の細かい情報は、子どもより親の方が詳しいので、式場決定前に情報を共有することは必須と言えるでしょう。特に、「祖父母は高齢なので、長距離の移動が難しいから県内の式場で」や「幼児がたくさん出席する予定」などの場合、
・立地・アクセス
・施設の充実度
は確認しておきたいポイントになります。新郎新婦が聞き入れるかどうかは別ですが、会場決定前に、親目線の意見を伝えておくとスムーズです。
3:引き出物
最近は、頂いたご祝儀の金額によって、引き出物を変更する「贈り分け」という手段を取り入れる方がほとんどです。
親族の引き出物に関しては、親の手助けがあると良い場合があります。例えば、おしゃれさを重視しただけのものは、若いゲストには喜ばれても、高齢の親族ゲストには微妙かもしれません。親が客観的にアドバイスしてあげることで、子どもが気付くこともあるでしょう。
地域によっては、その地域定番のものを入れる決まりがあったり、品数が異なることがあります。引き出物を決定する前に、事前に両家の地域のならわしを確認されることをおすすめします。
4:お車代の準備
お車代は、「交通費」や「(スピーチをしてくれた方や主賓への)お礼」になります。お車代を出さないケースもありますが、その場合、何もしなくて良いのではありません。お車代のかわりに、新郎新婦もしくは親が、遠方のゲストの宿泊や交通手段を手配し、費用を負担することが多いようです。
遠方からの親族がいる場合、交通・宿泊の手配はこちらがサポートするのが基本になります。しかし、中には、親族間で「お互い様だから、お車代はなしで」というパターンも珍しくありません。お車代でゲストが不快な気持ちになれば、今後のお付き合いに悪影響がでるかもしれません。お車代の金額に関しては、ゲストとの関係性を考慮しつつ、親子で相談してから決めましょう。
5:親の衣装決め
結婚式での親の服装は、一般的に
・父親はモーニング
・母親は留袖やフォーマルドレス
になります。
新郎新婦や会場のバランスによっては、カジュアルなもので良い場合もあります。いずれの場合でも、派手すぎず、品のあるものを選ぶのが無難です。
結婚式の親の衣装において重要なのは「両家の格を合わせること」。洋装・和装の違いは問題ではありませんが、どちらかの親が格下の服装だと、お互いが気まずい思いをすることになります。事前に、子どもを通じて相手の親の衣装情報を共有し、格を合わせましょう。
こまめなコミュニケーションで円満な結婚式準備を
楽しいはずの結婚式準備期間中に、残念ながら親子間や両家で揉めてしまうことがあるかもしれません。お金やゲストなど、問題になる理由は様々ですが、どれも親子間のコミュニケーション不足から、トラブルに発展していく傾向にあります。
親子間の話であれば、式を終えてから「親にちゃんと相談せず先に決定してしまい、後から後悔した」と感じる新郎新婦は少なくありません。実際、ネット上にはそのような意見が多く見受けられます。
親としても、大切なことを事後報告されると、わだかまりが残るでしょう。「何でも好きにしてね」と伝えるのも良いですが、事前に「ここだけは相談してほしいポイント」を伝えておくことが、トラブル回避に繋がるかもしれません。
最後に
結婚式は、子どもだけでなく、親にとっても大切なイベントです。主役は新郎新婦ですが、親として「子どもに伝えるポイントはしっかり押さえ、求められれば手助けする」姿勢でいること大切になります。後悔のない結婚式にするためにも、親子での報告・連絡・相談が日常的に行なえれば理想的です。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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