最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか「読める、けれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く⼒が衰えたと実感することもあります。
記事を読みながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第181回は、「竜胆」をご紹介します。見慣れない漢字ですが、秋に花を咲かせる植物の名前になっています。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。
「竜胆」のとは何とよむ?
「竜胆」の読み方をご存知でしょうか? 「りゅうたん」ではなく……
正解は……
「りんどう」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「リンドウ科の多年草」と説明されています。竜胆の開花時期は9月から11月頃で、秋を代表する草花として知られています。晩秋になり、寒々しい風景が広がる中で、美しい青色の花を咲かせる竜胆。
平安時代の二大作家・紫式部と清少納言も、竜胆の花について触れるなど、その美しさに魅了されています。近年では品種改良が進み、園芸に適した品種も多く見られるため、実際に育ててみるのも良いかもしれませんね。
「竜胆」の漢字の由来は?
干した根は漢方の薬として使われるなど、薬草としても知られている竜胆。根は非常に苦く、熊の胆汁を乾燥させた生薬・熊胆(ゆうたん)に引けを取らないことから、「竜」の字を冠して「竜胆」と表記されるようになったと言われています。
中国語で、「竜」は最上級という意味を持ちます。そのため、本当に苦い薬草という意味で、この漢字が当てられたのではないでしょうか?
辰年はどんな年?
十二支の中で唯一、空想上の動物である「辰」。竜やドラゴンなどと呼ばれ、世界中で様々な伝説が見られます。古代中国において、雨を降らせて五穀豊穣をもたらすとされる竜は、麒麟(きりん)・鳳凰(ほうおう)・亀とともに四霊と呼ばれ、厚く信仰されました。また、皇帝の生まれ変わりと言われることもあり、権力・隆盛の象徴でもあったそうです。
日本でも、古くから竜は神聖視されており、『日本書紀』にも竜についての記述が見られます。中国と同様、雨を降らせる神として、信仰の対象となっていたのです。今年は、そんな縁起の良い動物・竜が主役の年。物事が大きく動き出す年と言われることもあるため、何か新しいことを始めてみるのも良いかもしれません。
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いかがでしたか? 今回の「竜胆」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 2023年が終わり、新しい一年がスタートしました。素敵な一年になるように、心機一転、頑張っていきたいものですね。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
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