すでにNISA制度を活用している人も、これから投資をはじめようと思っている人も、NISAの制度が新たに拡充されるということで、気になっている人も多いのではないでしょうか? 制度の変更はいつからなのか、変更前のNISAはどのようにして切り替えたら良いのか、把握しきれていない人もいるかもしれません。今回は、NISAの「制度変更」について詳しくみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
NISAの制度変更はいつから?
新NISAとは?
旧NISAから新NISAへ切り替える方法
まとめ

NISAの制度変更はいつから?

NISA制度(少額投資非課税制度)の変更はいつからなのでしょうか? ここでは制度変更のタイミングについて解説しますが、分かりやすくするために、変更前のNISAを「旧NISA」、変更後のNISAを「新NISA」と呼ぶことにします。

2024年から制度変更となると言われていますが、具体的には2024年1月1日以降の取引から、新NISA口座を使用することが出来るようになります。一方で、旧NISA口座での金融商品の買付は、2023年12月31日までとなります。旧つみたてNISAを利用していた人も積立は終了します。

新NISA口座と旧NISA口座は別勘定となるため、制度変更後も旧NISA口座で運用している商品は、非課税期間終了時まで保有しておくことが出来ますが、非課税期間終了時に何もしなければ課税口座に移行します。売却の手続きはいつでも可能ですので、非課税期間が終了する前に売却をして新NISA口座で買付しなおすことで、非課税措置を継続することが出来ます。

なお、2023年12月31日までにジュニアNISAで買付した商品については、非課税期間終了後、自動的に継続管理勘定に移管され、18歳になるまで非課税で保有することが可能です。旧NISA口座で運用を続けている人は、非課税期間終了の時期について忘れずに管理していきましょう。

新NISAとは?

NISAの制度が変更されるのは初めてではありませんが、今回の変更が注目されている要因は大幅に拡充されているという点にあります。「無期限化」「枠の拡充」など注目のポイントがいくつかありますが、新NISAとはどのような制度なのか、具体的にみていきましょう。

非課税口座

NISAは「少額投資非課税制度」であるため、「NISA口座」で運用して得た利益(譲渡益や配当等)には税金がかかりません。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用

旧NISAの「つみたてNISA」にあたるのが「つみたて投資枠」で、「一般NISA」にあたるのが「成長投資枠」です。旧NISAでは「つみたてNISA」と「一般NISA」のどちらか一方しか利用することが出来ませんでしたが、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用することが可能となりました。

非課税投資枠の拡充

新NISA口座で1年間に投資できる金額は「成長投資枠」が240万円まで、「つみたて投資枠」が120万円までの合計360万円となります。また、非課税保有限度額は通算で1,800万円までとなっており、そのうち「成長投資枠」は1,200万円までとなっています。

恒久化

新NISAでは「非課税保有期間」が無期限となり、口座開設期間も恒久化されたことで、期限を気にせずに非課税枠の利用が可能になりました。

投資対象商品

「つみたて投資枠」の投資対象商品は、主に株式に投資する投資信託やバランスファンドです。「成長投資枠」投資対象商品は、「つみたて投資枠」の投資対象商品に加え、債券やリート(不動産投資信託)などの投資信託や、上場株式・ETFなど幅広い商品から選択することが出来ます。

非課税枠の再利用

売却することで生じた非課税枠は、再度限度額まで枠の再利用により投資することが出来ます。ただし、下の<図表1>の注3にあるように、手数料目的で売っては買うという繰り返し(回転売買)については、金融庁が監督指針を改正し、モニタリングをしていることも注目すべき点の一つです。投資する側の私たちも、回転売買を目的とした勧誘には十分に注意する必要があります。

<図表1>2024年からの新NISA

<図表2>2023年までの旧NISA

旧NISAから新NISAへ切り替える方法

旧NISA口座と新NISA口座は異なる口座であるため、同時に保有するまたは切り替えるという選択肢があります。

<同時に保有する場合>

旧NISA口座での買付は2023年で終了しますが、非課税保有期間が終了するまで保有することが出来ます。新NISA口座での運用をはじめた場合、同時に2つのNISA口座を持つこととなります。なお、手続きが必要となりますが、新NISA口座は、旧NISA口座とは異なる金融機関でも開設することが可能です。

<旧NISAから新NISAへ切り替える場合>

旧NISA口座を保有している場合、同じ金融機関で新NISA口座が自動的に開設されます。積立設定を行なっている場合は、同様の設定のまま新NISA口座で積立が継続されます。しかしながら、旧NISA口座ですでに保有している商品は、新NISA口座に自動的に移行されるわけではありません。

旧NISAの非課税保有期間が終了する際に継続して税制優遇を受けたい場合など、新NISA口座に移行したい場合は、旧NISA口座で売却手続きをして一度現金化してから、改めて新NISA口座で買付する必要があります。

まとめ

売却時に生じる譲渡益や、定期的に受け取る配当金等に対して、非課税という税制優遇を受けられることは、大きなメリットであるため、NISA制度への注目度は高まっています。資産運用した結果、運用益に対して課税される・されないは大きな差となるため、新NISAは資産運用する人にとって必須アイテムと言えるのです。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行なわれています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか? 

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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