写真・文/矢崎海里
近年、新型コロナウイルスや学校給食用牛乳の供給休止により、年末年始に牛乳消費が呼びかけられています。
乳牛も人間と同じで、夏はのどが渇くため水分を多くとり、冬はあまり水を飲まないため、一般的に冬の牛乳は乳脂肪分が高く、おいしく感じるといわれています。
成分の調整をしていない「成分無調整牛乳」を購入することで、このおいしさを感じることができます。
飲む以外の牛乳消費はデザートやグラタンくらいしか思いつかない、という方に、今回はチーズクリーム煮とフレンチトーストサンドをご紹介します。
どちらも牛乳に含まれる栄養素を生かしたレシピとなっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
鮭のチーズクリーム煮
【材料】(1人分)
生鮭 1切れ
小麦粉 小さじ1
有塩バター 5g
玉ねぎ 1/4個
小松菜 1/4束
有塩バター 5g
小麦粉 大さじ1/2
牛乳 100cc
ピザチーズ 20g
顆粒コンソメ 小さじ1/2
胡椒 少々
あらびき黒胡椒 適量
【作り方】
1.玉ねぎは薄切りに、小松菜は3cm幅に切る。
2.鮭はペーパーで水けをふき取り、小麦粉をまぶす。バターを鍋に溶かし、両面カリッとするまで中火で焼く。
3.一度鮭を取り出し、鍋の汚れをふき取る。再度バターを溶かして玉ねぎを炒める。
4.玉ねぎがしんなりしたら、小麦粉を加えて粉気がなくなるまで炒める。少しずつ牛乳を加えて伸ばし、ピザチーズを加える。
5.小松菜、顆粒コンソメ、胡椒を加え、鮭を戻して5分ほど弱火で加熱する。
6.うつわに盛り付けて、あらびき黒胡椒をトッピングして完成。
小麦粉とチーズでとろみをつけた、家にある材料で簡単に作れるクリーム煮です。
鮭以外の魚や鶏肉などでもアレンジできます。
牛乳の優しい味わいで、寒い日でも温まる一品です。
牛乳には骨を形成するカルシウムが多く含まれることで知られていますが、その吸収率は食品の中でもトップクラス。
小魚や野菜に含まれるカルシウムの吸収率が20~30%なのと比較して、乳製品は40%と高いのが特徴です。
また鮭にはカルシウムの吸収を促すビタミンDが多く含まれていて、組み合わせて食べるのがおすすめです。
ビタミンDは、鮭のほかにしらすやさんまなどの魚類や、まいたけや干ししいたけなどのきのこ類に多く含まれています。
カルシウムを骨に取り込む際に重要な、ビタミンKも一緒に組み合わせると効果的です。
今回は小松菜を使用してビタミンKをプラスしていますが、ブロッコリーやキャベツ、納豆などにも多く含まれています。
小松菜と似た野菜でほうれん草がありますが、ほうれん草にはシュウ酸が含まれていて、カルシウムの吸収を妨げることがあるため、注意してください。
食塩相当量:1.6g
ツナとアボカドのフレンチトーストサンド
【材料】(1人分)
食パン(6枚切り) 1枚
卵 1個
牛乳 100cc
はちみつ 大さじ1/2
ツナ水煮缶(小) 1/2缶
マヨネーズ 大さじ1/2
アボカド 1/2個
有塩バター 5g
【作り方】
1.卵は割りほぐし、牛乳とはちみつを加えて混ぜる。
2.半分に切った食パンに1をかける。途中で上下を返し、一晩冷蔵庫で漬けながらパンに卵液をしっかり染み込ませる。
3.ツナ缶は水けを切り、マヨネーズを混ぜる。アボカドはフォークで粗くつぶす。
4.フライパンにバターを熱し、2を弱中火で焼く。焼き目がついたら裏返す。
5.片面に3をのせて、もう一方のパンでサンドして完成。
定番の食パンアレンジメニューのフレンチトーストも、甘さを控えて塩気のある具材をサンドすることで、いつもとは違うサンドイッチになります。
牛乳と卵、はちみつの優しい甘さと、ツナの塩気の甘じょっぱい組み合わせがよく合います。
前日から準備が必要ですが、しっかり卵液を吸わせるのがポイント。
食パン1枚でもボリュームのある、ふわふわフレンチトーストが完成します。
たっぷりのミルクを入れたコーヒーや紅茶とも相性抜群です。
牛乳、卵、ツナを使用することで、たんぱく質がしっかり摂れるメニューになっています。
この一皿でたんぱく質18.2gを摂ることができ、朝ごはんにもおすすめですよ。
飲み物に牛乳を追加したり、ヨーグルトを添えたりすることで、さらにたんぱく質がプラスできます。
食塩相当量:1.4g
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牛乳は不足しがちなカルシウムを効率よく補うことができます。
カフェインが気になる夜には、ホットミルクでほっと一息ついてみるのもおすすめです。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。