マイセンの磁器に「ドラえもん」が描かれた。作者、藤子・F・不二雄の生誕90周年を記念する作品を紹介したい。
華やかな金色をドラえもんが纏う
300年以上にわたり、伝統の職人技による制作を守り続けているマイセンは、西洋磁器の至宝とされる。「ドラえもん」が金彩の施された磁器に描かれ作品となる工程を、独ドレスデン近郊の国立マイセン磁器製作所に訪ねた。
マイセンの金彩技法はすでに18世紀初めに誕生していたが、つや消しの金と輝きのある金を組み合わせたこの装飾は19世紀中頃に誕生したものだ。数十にも及ぶ工程のすべてが職人による手作業で、繊細な絵付けもむろん手描きだ。絵付け職人のラウラ・ノイハンさんはこう話す。
「ドイツ語で『ドラえもん』を読み、映画も見ました。のび太がドラえもんに頼りながらも、最後は自分で問題を解決する物語からは、世の中を学ぶような深みに感動しました。『ドラえもん』を読んだ時の楽しい記憶を、この器でお茶を飲みながら思い出していただけたら嬉しいです」
カップ&ソーサー「宮廷の小花/ドラえもん」 マイセン(ドイツ)
33万円(税込み)
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川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムで生誕90周年記念原画展を開催中
『藤子・F・不二雄 生誕90周年記念原画展 「好き」から生まれた藤子・F・不二雄のまんが世界』では、作者の「好き」が特に色濃く描かれた原画を紹介。
アニメ、西部劇、SF映画、クラシック音楽、落語、鉄道模型、UFOや未確認生物、歴史や遺跡、そして恐竜など、作者の興味の幅の広さや強い情熱が伝わってくる。
【会期】開催中〜2024年10月下旬(予定)
※完全予約制。約4か月ごとに展示原画を入れ替え。
【場所】川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム2階「展示室II」
住所:神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1
電話:0570・055・245
開館時間:10時〜18時
料金:1000円
休館日:火曜、年末年始
※この記事は『サライ』本誌2024年1月号より転載しました。取材・文/福田 誠