前回【歌舞伎ファン必見! 見開き1mの超特大写真集『十三代目 市川團十郎白猿』が発売】で、超特大写真集『十三代目 市川團十郎白猿』の内容を詳しくレポートしましたが、本書には初版限定で『特別額装セット』というスペシャルバージョンが用意されていることがわかりました。そこで、引き続きこの『特別額装セット』の中身について詳しく見ていきたいと思います。
この機会でないと手に入らない、限定4部の『特別額装セット』
マンガや写真集などでは、特典や付録がついた豪華な初回限定版が設定されていることが多いですが、この『十三代目 市川團十郎白猿』にもしっかりと用意されていました。「SUMO本」シリーズでは初めてとなるサプライズ企画です。
「市川團十郎白猿の襲名はやはり歌舞伎界において大きな祝い事ですので、興行主である松竹と一緒になんとか盛り上げたいと思い、この『特別額装セット』を企画することになったんです」と本書の編集を担当したHさん。
それが、新・團十郎が海老蔵時代の最後の舞台で実際に着用した衣裳から、成田屋の代名詞である梵字や紋様の部分を「裂」にして額装するアート作品を付けた限定4部の『特別額装セット』です。
購入者には、本体の写真集のほかに、梵字や紋様部分を中心に角型窓からが覗く3つの異なるパターンの裂を並べた額装品が届きます。額装のスペックは、長辺約125.6cm、短辺約48.3cmと、ちょうど床の間に飾るのに適した掛け軸サイズとなっています。
では、こちらの特別付録となる額装を実際に床の間に掛けてみましょう。江戸時代から続く歌舞伎の伝統衣裳から採られた裂ですが、意外とモダンな雰囲気も感じられます。和室だけでなく洋室の壁にも合うのではないでしょうか。新・團十郎が立っているかのような存在感で、落ち着きのあるシンプルな額でありながら部屋がグッと華やぎます。
成田屋のお家芸「歌舞伎十八番」のなかでも特に人気のある『勧進帳』の弁慶の衣裳から採られているそうです。「松竹衣裳の全面的なバックアップを得て、制作することができました」とHさん。
しかも、これらはすべて十三代目 市川團十郎白猿が海老蔵時代に “舞台で実際に着用した衣裳”。レプリカじゃないということは、何気に凄いことです。なぜなら、これらの衣裳には美術的な価値だけでなく、歴史的な価値も備わっているからです。
ところで、みなさんは美術館や博物館でファッションの展覧会に足を運ばれたことはあるでしょうか?
日本の伝統芸能である歌舞伎の衣裳は、日本各地の美術館・博物館で大切に収蔵されています。なぜなら、これらは舞台映えするように贅を尽くした豪華絢爛な素材でつくられ、美術的な価値が評価されているだけでなく、同時代の人々の生活文化やファッションなどにも強い影響を及ぼしたという意味で、歴史資料としても価値が高いからです。
なかでも、江戸歌舞伎の大名跡である歴代の「市川團十郎」が着用した舞台衣装は歌舞伎の伝統や美意識を体現した象徴として、今も数多くのミュージアムで大切に保存されています。
つまり、今回の『特別額装セット』を購入すると、美術館・博物館に収蔵されていてもおかしくないような重要な価値をもつ市川團十郎が着用した衣裳の一部が、自分だけのものとして独り占めできてしまうということなんです。なんという贅沢。
また、あらかじめ額に入った状態で配送してくれる、という点も気が利いています。届いたその日のうちに、すぐに飾って鑑賞することができるのは嬉しいところ。仮に、衣裳そのものを自宅に送られても、よほど扱いに慣れてなければどのように飾っていいか困ってしまいます。こうした心遣いもポイントが高いかもしれません。
ちなみにこの『特別額装セット』は、本体である写真集に“十三代目 市川團十郎白猿の直筆サイン”が入っているそうです。「襲名披露興行のための全国巡業で多忙を極めるなか、1点1点心を込めて書いてもらった貴重な直筆サインです」とHさん。まさに至れり尽くせりの究極のファンアイテムです。
2パターンある限定版。コンパクトな『額装セット』もあり
さて、最後に気になるお値段ですが……、なんと税込みで1,100,000円!
書籍の価格としてはあまり聞いたことがありませんが、改めて考えたら世界に4部しかないものですし、美術館・博物館に収蔵されるレベルの価値あるアイテムですから、ある意味納得できるかなと思いました。
とはいえ、床の間のある自宅に住んでいる人は少数派で、1mを超える額装を飾るのが難しいと考える方もいらっしゃるかと思います。もう少しサイズ・価格ともにお手頃なものはないのかな……と尋ねたところ、コンパクトな額装とセットになった550,000円(税込)の『額装セット』も限定15部で用意されているとのこと。
こちらの大きさは長辺約42.2cm、短辺約22.3cmで、縦でも横でも好きな向きで飾れます。『特別額装セット』の額に比べて扱いやすく、これなら場所を選ばずより気軽に飾れるかもしれません。
さて、これらふたつの『特別額装セット』『額装セット』についての詳細、および申し込み方法は、小学館の『十三代目 市川團十郎白猿』特設サイトに記載されています。購入を希望する方は、12月10日まで申し込みを受付中とのこと。その後、12月15日頃に抽選を実施し、当選された購入者に案内が届く段取りになっています。
歌舞伎の美意識・伝統をプライベートな空間で体感しながら毎日生活できるこちらの特装版、それぞれ限定4部、限定15部を手に入れる幸せなファンの方が羨ましいです。
特設サイトはこちらから
https://www.shogakukan.co.jp/pr/sumo/danjuro/jp/index.html
特別額装セット・額装セットの申込詳細は以下のURLから
https://form.id.shogakukan.co.jp/forms/danjuro
文/齋藤久嗣