ライフスタイルのトレンドが時代によって変化するように、シニアの暮らし方も、“マイホームに住み続ける”から“住み替える”スタイルへ変わろうとしている。
快適で健康的なシニアライフを実現する「シニアレジデンス」への住み替えを具体的に考えていく際に、まずやっておきたいのは“自分ゴト”を整理すること。そのほうが、より役に立つ情報を受け取れ、的確なアドバイスを受けやすい。
正しい知識をもち、住まい探しを始める
住居の住み替えを思い立ったら、まずは自治体や専門機関が行なっている相談窓口を利用したい。準備として、入居を希望する本人もしくは夫婦の現在の健康状態や資産・収入、住み替え予算、希望時期などをあらかじめまとめておくと、より具体的なアドバイスを受けやすい。大きく4つに分けられる自立型シニアレジデンスが提供するサービスの違いなどもわかりやすく説明してくれるため、正しい知識をもって自分に合った住まい探しをスタートできる。
住み替えにあたり、自宅を売るのか、賃貸に出すかによって予算は変動するため、売却査定や賃料の見積もりはなるべく早い段階で不動産会社に依頼をしたい。契約時に必要な連帯保証人や身元引受人も早期に決めておくことが欠かせない。
住み替えを考えたら準備しておきたい4つのコト
資産と月収
住まいによって変わるが、毎月、管理費や食費、サービス料などのかかるケースが多く、入居時に一時金が必要なところもある。貯蓄や将来受け取ることのできる年金額をまとめておくと、支払える金額の基準値が見えてくる。
連帯保証人
契約時に必要となる保証人や連帯保証人は通常、親族が引き受けることが多い。子どもがいない、頼める親族がいない、頼みたくないという場合は、シニアレジデンスの運営会社を経由し、保証会社に依頼することもできる。
必要なサービス
提供されるサービスはシニアレジデンスの種類で異なり、健康プログラムや家事代行、季節のイベントなど、サービスの内容はさまざまだ。利用すると月額費用に加算されるサービスも多いので、自分にとって必要なサービスの絞り込みも大事。
不用品の処分
住み替えにあたっては自宅を売却するケースも出てくる。家にある大量の荷物すべてを住み替えるところに持ち込めないため、使わなくなった衣類や小物は早めに廃棄し、家具や家電といった家財道具の処分先の検討もしておきたい。
オンラインでも住み替え相談ができる
一般社団法人 高齢者住宅協会では、住み替えを考えているシニア向けに、WEBサイトから事前に予約のできる無料のオンライン相談を実施している。住み替えに関する疑問や困りごとのカウンセリングが受けられる。下記URLへアクセスを。
https://www.satsuki-jutaku.jp/journal/guideline/consultation
集めた情報をもとに複数の住まいを比較、検討
早めに住み替えを考える利点が、情報収集にも時間をかけられること。もっとも簡単に情報を手に入れられるのはインターネットで、“シニア住宅”などでキーワード検索を行なえば、目当ての多くの住まいが見つかり、それぞれのWEBサイトをチェックすれば詳細もわかる。
新聞の広告や折り込みチラシも情報を集める有効な手段。折り込みチラシは居住する地域周辺の情報が見つけやすく、住み慣れたエリアでの新生活を考えている人にはより適した情報を得られる。
息子・娘が暮らす地域への近居を希望するのであれば、子どもたちとともに情報収集を進めるのもいい物件にめぐりあう近道となるだろう。
インターネットで検索
新聞の折り込みチラシ
物件の見学会
※この記事は『ハイクラス・シニアレジデンス案内 首都圏・関西版』より転載しました。 取材・文/安藤政弘
ハイクラス・シニアレジデンス案内〈首都圏・関西版〉
シニア向け住居市場が活況だ。特に元気なうちに入居する自立型は、健康・食・趣味を彩るサービスや共用部に目を見張る。不動の人気物件から最先端まで、別荘や住み替えの選択肢として注目のシニアレジデンスを案内。