そこにあるだけで空間をセピア色に染める、ゼンマイ駆動の蓄音機。幕末の江戸の古地図と伝統の江戸切子を組み合わせた珍しいグラス。大人心を刺激するアイテムをご紹介します。

1.蓄音機

蓄音機の機能を再現、音の出るインテリア

立派なラッパ(ホーン)が印象的な、懐かしい蓄音機のインテリアである。インテリアといっても、ゼンマイによる回転機構を内蔵し、針を落とせばSPレコード盤を再生することができる。

蓄音機は、レコード盤に刻まれた溝の波形を針で拾い、その振動をラッパが増幅させて耳に届ける。1887年(明治20)に発明された、音盤による音楽再生の原理がそのまま見て取れる、希有なインテリアである。本体は木製で、真鍮製のラッパにゼンマイ駆動と、蓄音機の原型が再現されている。インテリアゆえ音楽の鑑賞に適しているとはいえないが、ときにはゼンマイを巻き、盤に針を落としてみるのも一興だ。

鉄針が拾った振動は、円形のサウンドボックス内の振動板に伝わり、振動が音となりラッパ(ホーン)で増幅されて耳に届く。
ハンドルを右回転させてゼンマイを巻く。駆動時間は3〜5分(個体差あり)で、SP盤の片面を聴くことができる。
回転速度の調整レバー。右にずらせば速く、左にずらすと遅くなる。
SP盤用の交換針(鉄針)が10本付属する。当時、鉄針はレコードの片面を再生するたびに交換していた。

蓄音機

アンティークコレクション(日本)
24,200円(消費税込み)

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2.萬延江戸図 江戸切子グラス

幕末の江戸の古地図と江戸切子が合体したグラス

幕末の江戸城下を描いた「萬延江戸図」(1860年)と、伝統の江戸切子を組み合わせた珍しいグラスが届いた。グラスの半分に江戸の古地図、もう半分は江戸切子の細工が施されている。

古地図をルーペで覗くと、半透明のサテンプリントにより、江戸城を中心に細地割りや家名が詳細に表されている。片や江戸切子は、創業100年を超える堀口硝子の切子職人の手技によるものだ。端正な矢来紋(やらいもん)は、竹を交差して作った柵を模しており、魔除けの意味を持つ伝統的な紋様だ。

飲み物を入れるとグラスの表情がまた変わる。そんな変化を楽しみながら、オンザロックを楽しむのも贅沢な過ごし方である。

江戸時代から続く伝統の矢来紋が美しく刻まれている。光を熟知した技がグラスに映える。
江戸切子で知られる堀口硝子の職人が、ひとつひとつ仕上げた。堀口硝子の創業は大正10年(1921)、江戸時代後期に伝わった切子の技術を今に伝えるガラス器メーカーである。

萬延江戸図 江戸切子グラス

オフィス六・7(日本)
19,800円(税込み価格)

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