日本という国には、よいものがたくさんあります。それは日本人ならではの美意識と職人気質が生み出した、世界に誇るべき知恵と技術の結晶です。
作り手たちの真心と熱い思いが宿る品々は手に取るだけでその土地の文化や風土、歴史を感じられます。各地で作られている「日本製」の魅力ある名品をご紹介いたします。
1:鉄打出しフライパン「HANAKO」
鉄の一枚板を叩いて成形。分厚い肉料理もお手のもの
横浜市金沢区福浦に工場を構える山田工業所の鉄鍋は、横浜中華街に集まる名店の約8割が愛用する逸品。プロの料理人たちがこの鉄鍋にこだわるのには訳がある。
「昨今の鉄鍋製造は、金型で均一な厚みに整えるプレス成形が一般的ですが、当社は鉄板を叩いて成形する『打出し製法』を貫いています。この製法は厚みを自在に調整できるので、当社では直火が当たる部分を薄く仕上げることで熱伝導性を高めました。また、鉄が鍛えられて強度が増したり、空気が抜けて錆び防止になるなど、叩いて作る利点はたくさんあるのです」(2代目社長・山田豊明さん)
製造を担うのは約10名の職人たち。打出し機にセットした鉄板を、ハンマーの位置を微調整しながら、何千回も叩いて少しずつ成形していく。どこをどれだけ叩くかは、職人が長年培った勘が頼りだ。
そんなプロ仕様の鉄鍋作りの技術を、家庭でも使いやすいフライパンに活かしたのが本品である。鉄板を2.3mmと厚くすることで蓄熱性をさらに高めてあり、ステーキやハンバーグなどの分厚い肉も中までしっかりと火が通る。また、徐々に食材がこげつきにくくなったり、火の通りがまろやかになったりと、使い込むほどに調理しやすくなるのも鉄製ならでは。ふだんの料理を格上げしてくれる、一生もののフライパンである。
仕様:【24cm】約直径24×深さ4.9×全長38.7cm、1.08kg。【26cm】約直径26×深さ5.3×全長40.7cm、1.18kg。【28cm】約直径28×深さ5.5×全長42.7cm、1.42kg。すべて本体は鉄(板厚約2.3mm)。ハンドルはチタン。IH 調理器、オーブン使用可。電子レンジ、食洗機使用不可。日本製。※打出しの工程を職人が手作業で行なうため、厚み・深さ・形・色合い等が一点一点異なります。
価格:【24cm】12,100円【26cm】13,200円【28cm】15,400円
2:4w1hホットサンドソロ
食パン1枚で具材をくるりと巻く。ひとり用のホットサンドメーカー
食パン1枚で具材を巻く程よいサイズ感と、軽量で使い勝手のよい形状が評判のホットサンドメーカー。開発したのは、新潟県燕三条地域で金物の自社一貫生産を70年以上続ける「杉山金属」と、各界で活躍するクリエイターたちとの共同チームで、「4w1h」ブランドとして販売されている。
機能性を重視する同チームは、パンの耳までしっかり焼くことができ、ひとり分にちょうどよく、片手で食べやすいホットサンドの焼き型を追求した。さまざまな挟み方や形状を探り、パンが裂けないように焼き型の深さを0.1mm単位で細かく調整。パンの耳を圧着させるフチを波形にすることで、大きな具材やとろみのある具でもこぼれにくい型を完成させた。
今回紹介するのは、上下のプレートが外せる改良モデルだ。
「焼き上がったら上面のプレートを外し、皿をのせて返せば、熱々のホットサンドを触らずに盛り付けられます。また、上下のプレートを分割できるようにしたので手を挟みにくく安全に使えるうえ、ミニフライパンとしても手軽に使えます」と、杉山金属の営業部部長・小川陽介さんは語る。
プレートにフッ素樹脂加工を施しているのでこびりつきにくく、手入れも簡単。キャンプなどのアウトドアシーンの朝食作りにも大活躍してくれる。
仕様:幅14×全長28.5×高さ4cm、405g。本体はアルミニウム合金(フッ素樹脂加工)。ハンドルはフェノール樹脂。IH非対応。食洗機不可。日本製。※写真の食材は含まれません。
価格:4,950円