皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第53回のテーマは、「腰に効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
腰痛を引き起こす原因
更年期障害のつらい症状のひとつとしてあげられる腰痛。
更年期に女性が腰痛を引き起こしやすくなるのは、女性ホルモンの分泌が急激に低下することによる、自律神経の乱れが大きく関わっています。
漢方医学では、「気」「血」の巡りが滞り、組織に栄養物質がうまく届かずに痛みが出るとされ、加齢や関節の変形、ストレスなどが主な腰痛の原因として考えられています。
また、寒冷や多湿の環境では、内臓機能や自律神経の乱れを起こしやすく、腰痛や関節痛を感じる方も少なくありません。なるべく痛みを軽減するためにも、適切な温度や湿度を保つことも大切でしょう。
腰痛を緩和するヨガストレッチ
ヨガは生理や更年期障害など、女性ならではの悩みを軽減することにも効果があるといわれています。
ここからは、更年期障害で腰痛に悩む女性におすすめのヨガポーズを2つ紹介します。初心者の方でも簡単にできるポーズなので、無理はせずにリラックスしながら行ってみてください。
1.座位のねじりのポーズ
まずは、ねじりのポーズのなかでも、座った状態で簡単にできる「座位のねじりのポーズ」を紹介します。
ポーズのとり方
(1) あぐらで座る
(2) 片手は脚を組んでいる場所の前、もう片手はお尻の後ろに置く
(3) おなか→胸→肩→頭の順番で、下からゆっくりと体をねじる
ポイント
・腰はまっすぐに立てる
・左右のお尻がしっかりと床についている状態をキープ
座位のねじりのポーズの効果
・背骨を刺激して自律神経を整える
・背骨や腰回りの緊張をほぐして腰椎の負担を軽減する
このポーズでは、腰痛の痛みの原因となる背骨の歪みを整えます。テレビを見ながら、好きなことをしながら、スキマ時間にぜひ行ってみてください。
2.三日月のポーズ
「三日月のポーズ」は全身をダイナミックに使い、心身ともに安らぐことのできるポーズです。
やり方
(1) 四つん這いになる
(2) 片足を手と手の間に置き、片足は後ろに引いてつま先を寝かせる
(3) ゆっくりとバランスを取りながら上半身を起こす
(4) 両腕を上にあげて手のひら合わせる
(5) 胸を開いて軽く腰を反らせる
ポイント
・おなかに少し力を入れて、腰は反らせすぎない
・腰を反らすより胸を大きく開くことを意識する
・視線は斜め上にする
・地面についている足全体で床を押すイメージ
・慣れてきたら少しずつ股関節部分を下げる
三日月のポーズの効果
・腰痛に関わる腸腰筋のストレッチができる
・血行促進で冷え性を改善する
・骨盤や股関節の歪みを改善する
・胸を開くことで前向きな気持ちになる
このポーズでは、ストレスや加齢で前屈みになってしまった姿勢を整えます。
体を大きく伸ばし、整えることでスッキリした気持ちになれるはずです。なお、腰は反らせすぎると危険なので、自分が気持ちいいと感じるところでキープしましょう。
腰痛に効く漢方薬
更年期の腰痛で悩む方には、漢方薬もおすすめです。
腰痛に効く漢方薬には「急性の腰痛に効くもの」「慢性の痛みに効果が期待できるもの」などがあります。
腰痛は、血行不良や冷え、ストレス、加齢や体力の低下、悪い姿勢などが原因となり、腰や背中の筋肉が緊張し、硬くなってしまい、神経が刺激されて生じると考えられています。
改善するには、鎮痛作用で痛みを和らげるだけでなく、「血流をよくして痛みを改善する」「体を温めて筋肉をゆるめる」「自律神経を整えて心因性の痛みを和らげる」「加齢による体力の衰えを補い痛みを和らげる」「全身に栄養を届け、関節や筋肉の機能を回復する」といった働きのある生薬を含む漢方薬を選びましょう。
また、漢方薬は腰痛だけでなく、神経痛、関節痛、しびれなどの改善もできます。以下では、腰痛におすすめの漢方薬を3つ紹介します。
・桃核承気湯(とうかくじょうきこう)
血流を促し生理不順、のぼせ、便秘、腰痛の緩和などに効果が認められています。精神不安にも効き目があるため、情緒が不安定になる更年期の方にもおすすめです。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
「血」の巡りをよくして、腰痛や肩こり、のぼせて足冷えなどの症状に用いられます。また、女性ホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安、ストレスの緩和にも効果が認められています。
・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
冷えが強く、温めると緩和するような関節痛や神経痛、腰痛などの症状に用いられます。芍薬(しゃくやく)や附子(ぶし)が痛みを和らげ、関節のこわばりなどがある場合にも用います。
漢方薬を選ぶ際は、自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。購入時は、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師等にご相談ください。
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ストレッチや漢方で腰痛を楽に!
今回は、更年期の腰痛でお悩みの方に向けて、腰痛緩和のためにおすすめの漢方薬や簡単にお家でできる簡単ヨガポーズについて解説しました。
腰痛に悩む多くの方が「更年期障害はどうしようもない」と、諦めがちです。しかし、更年期障害の症状は漢方やヨガのポーズなど、生活習慣や環境を変えるだけで軽減できる可能性はあります。
更年期障害を少しでも楽に乗り切れるよう、この記事を参考にしてくださいね。
<この記事を書いた人>
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0128