取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った渚さん(仮名・41歳)は25歳のときに結婚して、現在は旦那さまと子どもとの三人暮らしをしています。渚さんは兵庫県出身で、両親との3歳下に弟のいる4人家族。渚さんの主体性を尊重してくれる両親の下で育ち、もちろん結婚相手も自らの意思で選びます。
「社内恋愛なので、周囲から仕事の評価が高いところも尊敬していましたし、プライベートでの少しだらしないところも私だけに見せてくれている部分なんだと好意的に受け取っていました。結婚の挨拶で義両親に感じた違和感も、一緒に住むわけじゃないしそこまで気にすることないかなって思っていたんです。当時はまだ若くて、まぁなんとかなるだろうと深く考えていなかったんですよね」
一緒に子育てをする対等な関係になった私を、夫は「鬼嫁」と言っていた
渚さんは結婚式を2回行っているとのこと。その理由は義母の要望の1回と、渚さんの要望を聞き入れてあげようと旦那さまが提案してくれた結婚式を別で行ったからだと言います。
「結婚式って、奥さんのためのものという人もいれば、親族への顔見せという人もいる。義母は完全に後者で、『こうしたほうがいいと思うの?』と提案ベースなのにそれが次々にその通りに決まっていく感じです。実は結婚式のお金を一部払ってもらっていたのでこちらも強く言えずに夫からもゴメンと言われました。
夫からいくら謝られても私の中では一生に一度の結婚式で自分の要望が通らないことにもやもやした気持ちが拭えなかったんです。ちょっと家で不機嫌な態度を取ってしまっていたんだと思います。そしたら夫が『2人だけで結婚式をしよう』と言ってくれました。2人だけの結婚式は新婚旅行のときに行いました」
結婚して2年後に渚さんは男の子を出産。妊娠中よりも出産後のほうがメンタルが不安定になり、子育てを手伝うスタンスの旦那さまに当たることもあったとか。そこから子どものことを育てる関係として対等となり、敬語が崩れていきます。しかし、対等の立場を旦那さまはよく思っていなかったそう。
「私は結婚してすぐに仕事を辞めたんですが、元同期とはその後も交流を取っていて、出産後に様子を見に来てくれることもありました。そこで、夫が『出産してから鬼嫁になった』と私のことを言っていると聞いたんです。家事の分担をしただけで鬼嫁になるんですかね……。夫と直接交流のない同期の子にまで話がいくなんて相当言いふらしているからだろうなと思いました」
【実母の心配をするのは悪い嫁なのか。次ページに続きます】