取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った愛華さん(仮名・37歳)は現在、旦那さまと子ども、そして義父との四人暮らしをしています。愛華さんは兵庫県出身で、両親との4歳上に姉のいる4人家族。20代に長期間付き合っていた男性とは婚約破棄になり、30歳で出会ったのが今の旦那さま。2年間の交際を経てプロポーズを受けますが、最初から義父との同居をお願いされていたとのこと。
「夫はずっと実家だったので、交際期間中も家に遊びに行って義父と3人で食事することもありました。義父は年齢の割に若く見えて、当時もまだ仕事も精力的にしていました。それならもっと後から同居すればいいんじゃないかと思ったのですが、夫はどうしても同居したいと。義父も遠慮することなく、その話を笑顔で受け入れていました。私は今も両親とも健在だからこそ放っておいても大丈夫という思いがあるのかもと、片親なら心配だろうなと思い、夫の意思を受け入れました。夫の親を大切にするところも好きだったので」
夫婦生活に言及、妊娠中にお腹に触れてくる義父
両家の顔合わせに結婚式も速やかに行われ、すぐに同居がスタートします。結婚と同時に妊活をスタートさせますが、妊娠がわかったのは1年後。ホッとしたのも一瞬で、そこから義父からセクハラまがいの発言を始まったと振り返ります。
「同居ではやっぱり気を遣いました。特に部屋着や、お風呂、トイレ、そして夫婦生活に。同居に際して洗面所に簡単な内カギをつけてもらったので裸でバッティングとか何かを見られることはなかったのですが。
もう32歳と35歳ということで結婚後すぐに妊活をスタートさせたものの最初は全然授からなくて、妊娠がわかったのは1年後でそろそろ不妊治療を行わないとダメかもしれないと思っていた矢先のこと。本当に嬉しかったですし、夫はもちろん義父も喜んでくれました。そんなときに、『まったく気配がなかったので子どもはいらないのかなと思っていた。夫婦生活をちゃんとしていたんだな』と笑顔で言われて。いやいや、たとえそんなことを思っていても発言はしちゃだめでしょうってなりました……」
妊娠生活では義父は料理を作ってくれたり、掃除をしてくれたりととても協力的だったそう。しかしそんな中でも耐えられないことがあったとか。
「お腹が目立ってきたときぐらいから、何のためらいもなく私のお腹に触れるようになったのです。ひどいときには耳をあてたり、お腹を包み込むように抱きしめてきたり。笑顔で触れてきて、夫もそれを見ているのに何も言いません。さすがに辛くて夫にやめるように伝えてほしいと言ったら『あんなに喜んでくれているのにできない』と一喝されて。私は妊娠中の体調は安定していたほうだったのですが、義父に触れられたくなくて体調不良でという理由で実家に早めに逃げ帰ったほど辛かったです」
【『娘なんだから』と授乳を凝視する義父。次ページに続きます】