取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺ったゆり子さん(仮名・41歳)は、27歳のときに学生時代から付き合っていた男性と結婚、現在は大阪府内で2人暮らしをしています。義両親は仲良く、自分の両親は不仲。対照的な家庭環境もあり、優しくしてくれた義母とは仲良くしたい気持ちで結婚当初はいっぱいだったとか。
「夫の家は3人兄弟で、夫は真ん中っ子だったけど一番結婚が早くて、『娘ができた』ととても喜んでくれていました。それに義両親はとても仲が良くて、私の両親のようなギスギスさも感じられなかった。それになんとなくですけど夫は大切に育てられた感じがして。転勤するまでずっと実家暮らしで生活力が少しないところも含めて(苦笑)」
上京後すぐに結婚式への、30歳を過ぎてからは子作りへの猛プッシュが始まった
入籍後は仕事のこともありバタバタしていて結婚式を行ったのは2年後に。そのときには両親が別居中だったそうで、結婚式では普通の夫婦っぽく演じてもらったと言います。
「落ち着いたら結婚式をすればいいと思っていたんですが、義両親からのプッシュがすごくて。私は新しい職を見つけて仕事を始めてさらに多忙になっていたから、結婚式はせずに写真だけでいいと思っていたんですけどね。それに結婚式をしたくない理由として、両親が上京後1年も経たないうちに別居してしまったこともあって……。義両親の手前、2人には結婚式の前に話し合いの場を作って、普通の夫婦を演じてもらえるようにお願いしました。その後にすぐに離婚が決まったので、待っていてくれたのか、それとも顔を合わせたことで離婚を早めてしまったのか、聞けないままです。
当時私たちは東京、義両親は大阪、私の両親は広島と離れていたのであまり交流がなく、離婚の事実は1年ほど黙っていました。お歳暮などのやりとりは祖父母の家に戻った母親に任せていて。母親自身も離婚の事実は黙っていてほしいと言われたこともあったので……。離婚の事実を伝えたとき、義母は私のことを心配してくれました。本当によくできた義母だって当時は思いました」
しかし、30歳を超えたときから始まったのが、子作りへの猛プッシュだったとか。
「帰省する度に『子どもは早いほうがいい』とか、ダイレクトに『孫が見たい』と言ってきて。まぁキツイ言い方ではないので、苦笑いで流していたんです。私たち夫婦はまだどちらも子どもを欲しいとは思っていなかったから。揉めないように“まだ欲しいと思っていない”ということはもちろん伏せていました」
【不妊の原因は自分。夫はそれを隠して義母に伝えてくれたものの……。次ページに続きます】