文/鈴木拓也
見るだけで視力が改善される
近視・老眼といった視力の問題を改善するという「ガボール・アイ」をご存知だろうか?
これは、ノーベル物理学者のD・ガボール博士が考案した「ガボール・パッチ」を使った視力回復法で、輪郭がぼやけた縞模様が特徴。これを集中して見ることで、視力が改善されることが立証されている。
2017年に『ニューヨーク・タイムズ』が、これを取り上げたことで全米の話題になった。その後、日本では眼科医の平松類医師(二本松眼科病院副院長)が、書籍『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)として、このトレーニング法を紹介。30万部を超えるベストセラーとなり、多くの人たちの好評を得た。
このトレーニング法は基本的に、何種類ものガボール・パッチの中から、模様が同一のペアを見つけるというもの。曖昧な模様を判別する際に脳の視覚野が刺激され、脳の「視力を補う力」が高まることで、視力改善につながるという。
認知症の予防効果なども
平松医師の研究では、「1日3分、14日程度のトレーニングで、視力が平均0.2アップ」したそうで、「世界で唯一、科学的に証明された視力回復法」と評価している。視力だけでなく、注意力や読書速度が向上し、有効視野が拡大し、脳の疲労感の軽減効果もあるという。さらには、認知症の予防にもつながると、最新刊『1日3分楽しむだけで勝手に目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)で述べている。
視力が悪くなると、外から取り込む情報量が少なくなり、脳の全体的な処理能力が低下していくのです。この「情報量が少なくなる」状態は、いわば「逆・脳トレ」。「脳に刺激を与えないようにして、脳を鍛えないように頑張っている」という状態です。だから視力が悪いと、情報量の不足に伴い脳の処理機能が低下し、認知機能も衰え、やがて認知症に至りやすくなるわけです。ですから、「ガボール・アイ」を続けることで認知症を遠ざける効果が、かなりの程度まで見込めます。(本書より)
本書には、このトレーニング法で視力が0.3→1.0へとアップした40代半ばの男性から、77歳ながら老眼が0.1改善した女性など、さまざまな体験談が寄せられている。以前のやり方では、単調で飽きやすいのが難点であったが、本書はパズル的な要素をくわえて、この飽きの問題を解決している。そのいくつかを紹介するので、トライしてみよう。
Q1.上のグループにあって、下のグループにはないマークはどれ。マークは左右に回転する。
Q2.ある法則にしたがってマークが並んでいる。?のマスにはA~Dのどれが入るか。マークは左右に回転する。
Q3.組み合わせが同じグループはどれとどれか。マークは左右に回転する。
やってみてのとおり、時間も手間もほとんどかからないこのトレーニング法。視力が気になる方は、本書を片手に取り組んでみるとよいだろう。
【上記各設問の解答】
Q1の答え
Q2の答え
Q3の答え
【今日の健康に良い1冊】
『1日3分楽しむだけで勝手に目がよくなる! ガボール・アイ』
文/鈴木拓也 老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライター兼ボードゲーム制作者となる。趣味は神社仏閣・秘境巡りで、撮った映像をYouTube(Mystical Places in Japan)で配信している。