取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った澪さん(仮名・36歳)は、30歳のときに授かり婚をして、現在は大阪府内で3人暮らしをしています。澪さんは両親と3歳下に弟、5歳下に妹のいる5人家族。結婚後すぐにひどいつわりに見舞われ、家事もままならないことから里帰り出産に向けて早めに帰省することに。その間、側で支えてくれたのは夫ではなく義母だったそう。
「義母は『私もつわりは酷かったのよ~』と言いながら、私の欲しいものを嫌な顔一つせずに走って買いに行ってくれる人で、仕事の繁忙期だった夫に代わって実家まで送ってくれたのも義両親でした。私の両親は観光業なので、週末休めても片方だけで、そのことを知ると『自分たちが送る』と名乗り出てくれて。義父は休日を使って私を送ってくれたのに、当然のことだからと両親からのお礼は一切受け取らず。こんな人たちと家族になれて本当に幸せだと思いました」
協力的で親身になってくれる義母に、何もしない夫。夫と顔を合わすとイライラした
出産後1か月は実家で過ごし、旦那さまの迎えで大阪に戻ることに。その車にも義母は乗り込んできたそうですが、澪さんはそれもありがたかったと振り返ります。
「義母は、夫は運転しているから赤ちゃんの面倒は私がと、意気込んできてくれました。それに母親にももちろん伝えていたんですが、私は母乳の出が悪くて。一般的にはそのことを責める義母もいると聞いていたんですが『私も!全然大丈夫よ』と寄り添ってくれて。そのときに初めて義母の前で泣いてしまいました。わかってくれるってとても嬉しいことなんですよね」
母親と義母の助けもあり、何とか子育てをする毎日。そんな中で傍観者となっている旦那さまへの不満がたまっていったと言います。
「何かをするのにも“手伝う”スタンスなんです。私が子育てに家事にバタバタしていると『何かしたほうがいい?』と聞いている。当たり前だ!とイライラが募る一方でした。それに子育てあるあるかもしれないけれど、『子どもが母親のほうがいいと言っている』と子育てを放棄する。またイラッとして『何もできない』と私も夫を責めるような毎日でした。子どもが生まれてからずっと、夫にはイライラしていました。ワンオペでも顔を見るとイライラするので、いないほうが気が楽だと思ってしまうほどです」
【最初に離婚を言い出したのは夫のほう。次ページに続きます】