最初に離婚を言い出したのは夫のほう
初めての家出は子どもが2歳のとき。子どもが流行り病に罹ったことがきっかけでした。
「子どもが高熱を出して吐いたりしていたのに、次の日の仕事のことを気にして、何も手伝ってくれずに夫は部屋に籠りっきりに。それに加えて、ご飯を外に食べに行きました。あのときはもう終わりだと思いましたね。あの人は子育てに参加していないから、子どもをかわいいという気持ちが育っていないんです。子どもの体調が戻ってすぐに、車で実家に帰りました」
その後も旦那さまは迎えに来ることもなく、メールや電話で謝るのみ。ケンカが1か月以上経ったときに迎えに来たのは、1人ではなく2人だったとか。
「夫と義母、いいえ夫が義母に連れられて来たという感じでした。その前にも義母からは電話で何度も説得されていましたが、そのときにはさすがに『夫婦のことなので』と干渉を断っていたんです。でも最終的には義母はみんなが見る前で私に頭を下げてきました。そんなことされたら帰るしかないじゃないですか。夫は私の両親の前ではヘコヘコしていましたが、車に戻ると納得いっていない様子で、義母が帰ってからはまったく会話がない状態が続きました」
そんな冷戦状態に最初にキレたのは、澪さんではなく旦那さまのほう。そこで初めて離婚話が浮上します。
「離婚しようと言ってきたのは、夫が先です。私ももちろん同意して、そのときは夜も遅かったので明日ちゃんと話し合おうとなりました。翌日の冷静な状態でもお互い意見を変えなかったので、まずはお互いの両親に報告しようということになり、夫はその日の仕事帰りに実家に寄って伝えるということになったんです。すると夜には、意見を180度変えた夫が戻ってきた。どうやら義両親に入れ知恵されたようで。そんな姿を見て、自分で決めたことも親の反対で実行できないのかととても情けなくなりました」
そして現在はこんなことを繰り返しているそうで、義母との付き合い方にも迷いが出てきていると言います。
「夫とケンカして、離婚と叫んで家を出て行き、義実家から説得されて戻ってきて何もなかったように過ごされています。そこから何度か私のほうから離婚したいと伝えれば、義母が情に訴えてきます。いい人なのはわかるのですが、ここまで来るとお節介、余計なお世話レベル。今はコロナ禍で子どもも不安定であり、働き先もまだ見つかっていないのですが、長期計画で離婚を進めるつもりです」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。