取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げていく。【~その1~はコチラ

今回お話を伺った杏那さん(仮名・45歳)は29歳のときに結婚してすぐに子どもを授かるも、産後すぐに夫の不倫が発覚。相手は杏那さんの代わりに入社した女性だった。

「浮気の証拠はラブホテルに入る瞬間をおさえた写真です。私の友人でもある夫の同僚と共通の友人に協力してもらいました。

夫も女性も泣きながら頭を下げてきました。私は許すという気持ちよりも、早くこの事実を忘れたい気持ちでいっぱいでした。結婚してまだ1年とちょっとくらいで、大事になると恥ずかしいという気持ちもありました」

第2子が誕生するも、一度目と同じ女との不倫が発覚

会社の同僚には杏那さんからお願いして口止めし、不倫相手は違う理由で退職していったとのこと。夫は別人のように仕事を持ち帰ってまで家にいるようになったという。

「私は夫と元同僚で同業なので、仕事がどのくらい忙しいかも知っているし、家よりも職場のほうが仕事が捗るのも知っています。それでも、私に対しての罪滅ぼしなのか、仕事を持ち帰ってきてまで早く帰宅するようになりました。会社は固定残業制で家で仕事をしてもいいんですが、子どもの世話を率先してやってくれていても、『あんなことがあったからなんだろうな~』という気持ちは拭えませんでした」

たとえ表面的でも、穏やかな生活と時間が夫婦仲を前のように修復していった。夫婦生活も元に戻り、杏那さんは2人目を妊娠。そのとき35歳だった。

「どんなに辛かったことでも時間が助けてくれるんですよね。それを体感しました。いつしか夫は仕事を持ち帰らなくなり、帰りが遅くなりましたが、それが私たち家族の普通。夫婦生活も最初の一歩は違和感がありましたが、慣れることができました。最初の一歩を頑張れたのは、子どもが欲しかったからです」

第2子を無事に出産後も夫婦仲は普通だった。しかしログイン状態になったままのフリーメールから、また夫の不倫が発覚する。その相手はあのとき泣きながら頭を下げた女性だった。

「2人目の世話もあって私はフリーの仕事をあまり受けていなかったので、家のパソコンは夫のみが使っていた状態でした。そんな状況に気が緩んでログアウトしていなかったのでしょうね。

浮気相手を知ったときは驚愕しましたよ。もちろん前のときのように穏便にすますことはできず、お互いの親も含めた話し合いの機会を持つことになりました」

【再び家に居るようになった夫に、お金で誠意を伝えてきた義母 次ページに続きます】

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