「沖縄そば」の上にのる具は豚三枚肉(バラ肉)の煮付けとかまぼこ、それに青ねぎと紅生姜が基本。三枚肉の代わりに、ソーキ(あばら肉)をのせると「ソーキそば」となる。

「沖縄そば」の上にのる具は豚三枚肉(バラ肉)の煮付けとかまぼこ、それに青ねぎと紅生姜が基本。三枚肉の代わりに、ソーキ(あばら肉)をのせると「ソーキそば」となる。

沖縄に来たら、まず外せない食べ物が「沖縄そば」でしょう。ウチナーンチュ(沖縄の人)のソウルフードでもあり、もはや県民食といっても過言ではありません。

ところが、その実態となると観光客にしっかりとは理解されていないようです。

「そば」と名乗っているものの、蕎麦粉は一切使われていません。中華麺を作るときと同じく、小麦粉にアルカリ性の「かん水」を加えて打ちます。麺の色が黄身がかるのも、「かん水」の作用です。

また、「かん水」の代わりに、ガジュマルなどの木を燃やして水に浸した上澄みの「灰汁」を使うこともあります。

製麺所で作る麺は、かん水を使用しています。一方、手打ちや自家製麺を謳っている店で「灰汁」を使う場合は、「木灰そば」などと名付けているところもあります。

ここまでは、なんとなくわかりますよね。さて、沖縄そばの最大の特徴は、この次の工程にあります。

「かん水」あるいは「灰汁」で打った麺を一度茹でます。そして、茹で上がった麺に、油を回しかけて冷ますのです。つまり、油で麺をコーティングするわけです。

油をかけることで、麺に沖縄そば独特のコシが生まれます。また、南国の高温多湿な気候のなかで、麺が傷まない工夫でもありました。

客の注文が入れば、熱湯にくぐらせて麺表面についた油を落としてから出汁をかけます。

少しややこしいのですが、冷蔵庫が登場すると、あらかじめ麺を茹でて油をまぶして置いておかなくても、生麺の状態で保存できるようになりました。最近では自家製の生麺を出す店も増えて、こうした店では客の注文ごとに生麺を茹でるのです。

油あり、なしでは麺の食感がまったく違ってきます。具体的な話については、次回の記事でお伝えします。

※次のページで、本格「沖縄そば」の作り方をお教えします!

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