歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳とってきちゃって、なかなか思い出せなくて…」なんて言い訳するようでは、サライ世代の沽券に関わる?
そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」第42回目は、「算盤」をご紹介します。NHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一氏の有名な著書『論語と算盤』のタイトルにも出てくる漢字ですね。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
■「算盤」はなんと読む?
「算盤」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「さんばん」とも読みますが……
正解は……
「そろばん」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「日本や中国で用いる計算器具」として説明されています。串で刺した珠を移動させ、その位置で数を表現し、計算の助けとします。古代中国では、数を数えることを「算」と言うため、「数を数える盤」の意味で「算盤」となりました。日本には室町末期に伝来したと言われています。
「算」という漢字は本来「そろ」とは読みません。日本で「算盤」を「そろばん」と読むのは、中国語の「ソワンパン」が訛ったことが由来とされています。
■「算盤」の漢字の由来とは?
「算盤」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「算」は「数をかぞえる道具」を、「盤」は「台」を意味します。よって、「そろばん」は「算盤」という漢字が当てはまります。ただ「そろばん」の漢字は「算盤」だけではありません。続いてそのいくつかをご紹介します。
■「そろばん」の当て字は50種類!?
「そろばん」は「算盤」の他にも「珠盤」や「三羅盤」、「曾呂盤」など50種類以上の当て字が存在したと言われています。例えば、「十露盤」は「十」を「そ」、「露」を「ろ」という具合に、音で「そろ」の部分を表わした当て字になっています。意味から生まれた「算盤」に対して、「十露盤」は音から生まれた漢字表記だと言えるでしょう。
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いかがでしたか? 今回の「算盤」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか?「算盤」は大人の脳活性やストレス対策、さらには高齢者対策・認知症予防にも有効的と言われています。難読漢字とともに、「算盤」で脳のトレーニングをしてみるのも良いかもしれません。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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