取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った由美さん(仮名・38歳)は、26歳のときに学生時代から付き合っていた男性と結婚、現在は小学生になるお子さんと3人暮らしをしています。結婚前の同棲期間中にもお互いの両親との交流を持っていたこともあり、結婚への不安は一切なかったとのこと。
「2人暮らしをスタートさせる前にお互いの両親への挨拶をして、そこで私の実家では結婚の約束を結びました。結婚は少し強制的に意識させられたものの、26歳での結婚は自然の流れでしたね。結婚前からお互いの家に行き来するなど、家族同然の交流がありましたから」
一切交流のなかった義兄が結婚。直後に義姉が義実家のキッチンを牛耳るように
結婚後も由美さんは仕事を続けるなど忙しい毎日だったそうですが、夫婦関係も義両親との関係も良好。しかし、結婚して3年後に夫の兄が結婚したことで少し風向きが変わったと言います。
「夫は次男で、都内で1人暮らししている独身のお兄さんがいました。義兄とは結婚式で会ったきりで、私たちがお正月やお盆などに帰省しても、帰ってきていなかったから、まったくと言っていいほど交流はなかったんです。その義兄が結婚することになり、結婚式で初めて義姉と対面しました。第一印象は気さくでちゃんとした女性という感じでした。そこから義兄家族とも義実家で顔を合わせるようになって、賑やかにはなったんですが、何かをするにも中心にはいつも義姉がいました」
義父の趣味が料理ということを知っていた由美さんはお手伝いというスタンスでキッチンに立っていたそうですが、義姉は義両親の行動を制してまでキッチンの中心を牛耳るようになったとか。
「義父を休ませてあげたい気持ちはわかるんですが、正直言ってドン引きでした。もちろん私にはそのまま手伝えと言ってきたものの、義姉は料理に慣れていないのか手際が悪くて。それでも私が口を出すことを好まなさそうなので何も言いませんでした。義父と楽しく料理を作っていたときと違ってとても窮屈でしたね。それに義父もなんだか少し寂しそうでした」
【長男の嫁としてしゃしゃり出るくせにお金は対等を求めてくる。次ページに続きます】