写真・文/石津祐介
カナダの首都オタワと、古都キングストンをつなぐリドー運河。その全長は202kmにおよび47か所の水門によって結ばれている。今回は、運河を巡る水路クルーズと周辺で楽しめるスポットやアクティビティーを紹介しよう。
運河とロックマスター
リドー運河はスタート地点のキングストンから約50m上がり、オタワへ向かうにつれ約80m下がっており、高低差があるため水位を調整する「ロック」と呼ばれる水門が運河全体で47か所に設けられている。船舶の往来の際に水門を開け閉めし、水位を調整し管理するのは「ロックマスター」と呼ばれる水門の管理人だ。彼らはカナダ国立公園管理局のスタッフで、船が通航できる夏の間は水門そばに建てられた「ロックステーション」で過ごしている。
ロックマスターは、水門の上にある歯車を回転させ、水門を開き水位を調整していく。ロックには電動で開閉するものもあるが、そのほとんどは手動で開閉をする。運河の高低差が大きい場合は、複数の水門を通過する必要があるため一つ一つの水位を調整しながら、時間をかけて船はロックを通過していく。
リドー歴史街道の自然を楽しむ
世界遺産にも登録されているリドー運河。運河沿いには小さな街も点在し「リドー歴史街道」として旅行者にも親しまれている。それぞれの街を拠点にキャンプやフィッシング、バードウオッチングを楽しんだり、自然を学ぶツアーなども盛んに行われており、アウトドアも満喫できる。
キングストンにあるクイーンズ大学の「バイオロジカル・ステーション」が、運河近くのオピニオン湖の湖岸にあり、ここでは専任のスタッフからこの地域の動植物の生態についてレクチャーを受けることができる(予約制で英語のみ)。
個性的なホテルに泊まる
リドー歴史街道では、コテージから長期滞在のリゾートホテルまで様々なホテルに泊まることが出来る。その中で、おすすめの個性的なホテルを紹介しよう。
<ザ・オピニコン>
チャフィーズロックステーション近くにあるザ・オピニコンは、湖畔のロッジやコテージに宿泊できるリゾーで、元々は釣り客用の宿として90年前にスタートしたという。釣りはもちろん、カヌーやボートなどのアクティビティーや、バードウオッチングなども楽しめる。
【The Opinicon】
住所:1697 Chaffeys Lock Rd, Elgin, ON K0G 1E0
URL:https://www.opinicon.com
<ダッフォディル エーカーズB&B>
ダッフォディル エーカーズは、ニューボロの街にある石造りの古民家を利用したB&B。調度品や家具も、アンティークで統一され、古き良きカナダを体感できるインテリアになっている。ロックや湖の散策など、落ち着いてのんびりと過ごすにはおすすめだ。
【Daffodil Acres】
住所:11 New St, Newboro, ON K0G 1P0
URL:https://daffodilacres.ca
今回はここまで。次回は、希少なアツモリソウの群生とカナダの首都オタワを紹介していく。
協力:オンタリオ州観光局 http://www.ontariostyle.com/index.html
カナダ観光局 https://www.canada.jp
写真・文/石津祐介
カメラマン・ライター。旅行、アウトドア、野鳥、航空機などを中心に撮影、取材、執筆を行う。現在、埼玉県飯能市で田舎暮らし中。