搭乗後、飯塚シェフに「今からお料理いただきます」とメールしたところ、メインをいただいている途中、「パラダイスさん、焼きとうもろこしのキッシュもぜひ召し上がってみてください」と、返信がありました。もう、地上も、機上も、ネット環境は関係なくなりましたね。
メインの選択肢に、ベジタリアン用のメニューとしてもあった「焼きとうもろこしのキッシュ」は、CAさんに聞くと追加オーダーが可能ということなので、お願いしました。夏らしさを感じるサクサクした食感は、無限に何皿でもいけそうです。
メインディッシュの「仔牛タンドロンのプレゼ」は、肉質の柔らかさとバージンオリーブオイルが香るソースが絶妙なうえ、欧州客が満足できる量で大変満足しました。質も大事ですが、量も大事です、私にとっては。
ついに、機内食を食べるだけの旅の目的は、完遂しました。
食べるためだけに乗ってよかったと、心から思える「機内食を味わい尽くす旅」。
この後の行程はロスタイムも同然。いや、サンタクロースのみなさんとの懇親会が待っています。
↓現代の水琴窟。「B787-9」のバキューム音、かなり好きです。
↓「B747-400」 は、実にエレガントです。
↓デュッセルドルフからフランクフルトの接続便で、ブロッケン現象に遭遇しました。
あれもこれもではなく、「旅の目的をひとつに絞る」ことの大事さを再確認。
もったいないと思い出してしまったら、その無限ループにハマってしまいます。もったいないと思わなくなるようになったら、それはそれで認知症の疑いがあるそうなのですが……。
文/パラダイス山元(ぱらだいすやまもと)
昭和37年、北海道生まれ。1年間に1024回の搭乗記録をもつ飛行機エッセイスト、カーデザイナー、グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロース日本代表、招待制高級紳士餃子レストラン蔓餃苑のオーナー、東京パノラママンボボーイズで活躍するマンボミュージシャン。近著に「なぜデキる男とモテる女は飛行機に乗るのか?」(ダイヤモンド・ビッグ社)、「読む餃子」「パラダイス山元の飛行機の乗り方」(ともに新潮文庫刊)など。