賑やかな悪魔祓いのお祭り「オゴオゴ」も終わり、打って変わって静寂の新年「ニュピ」が訪れたバリ島。「外に出てはいけない」この一日を、敷地内に石像が点在し、寺院が9つもあるバリらしいリゾートホテルの中で過ごしてみました。
窓一杯の緑を見て一日が始まる
旅行の計画を立てる時、あそこに行って、ここも見て、あれも食べてと、つい欲張ってしまうもの。私もかつて、毎日くたくたになるまで観光地を見てまわっていました。同じホテルのプールサイドで1日中、動かない西洋人の旅行者を見て、「せっかく遠くから来たのに、もったいないなあ」と思っていたのです。
しかし、歳を重ねるにつれ、旅の目的が観光ではなく、日ごろのストレスから開放され、ただただリラックスするための「リゾート満喫旅」も良いのではないかと思えるようになりました。
そんなリゾート初心者におすすめなのが、バリ島の中央に位置するウブドの町はずれにあるホテル『ザ・ロイヤル・ピタマハ』。バリでは悪魔が練り歩くバリの大晦日の祭り「オゴオゴ」が終わると、静寂の新年、「ニュピ」が訪れます。
ニュピの日は、“悪霊が地上に這い出してくる日”とされているので、島民は存在を気づかれないように、電気を消して静かに過ごさなければなりません。
飛行機も飛びませんし、テレビの放送もありません。外に出たら罰金です! 動いていいのは救急車だけ。本来は家の外に出てもいけないのでしょうけれど、ホテルの敷地内であれば散策しても良いとのこと。この日は、半ば強制的に(?)ホテル・リゾートを満喫することになりました。
部屋で鳥の声を聞く楽しみ
昨夜、部屋にたどり着いたときは、真っ暗で何も見えなかったのですが、朝、カーテンを開けると、目に飛び込んできたのは一面の緑と朝の光! どのヴィラからもこんな美しい景色が見られるようです。
各ヴィラの敷地面積は、およそ300平方メートル。どこの部屋からも覗かれる心配がないので、思い切りくつろげます。次々と小鳥がやってきて飽きません。
庭には、1棟ごとに約30平方メートルの大きなプライベート・プールがついています。朝風呂ならぬ朝プールで泳いだ後は、かつて出会った「プールサイドでゴロゴロする西洋人」の真似をしてみました……が、ゴロゴロするのも慣れないと、なかなか難しいのです(笑)。