岩手県の花巻温泉は東北新幹線新花巻駅から車で約20分、青々と茂る南部赤松林に囲まれる温泉地です。この温泉地にあるバラ園は、かつて宮沢賢治がイーハトーブを想い描いて設計した南斜花壇があった場所にあり、園内には賢治が設計した日時計花壇も造られています。バラは現在、イングリッシュローズやオールドローズ、さらにここで作られたオリジナル品種など約450種6000株以上があり、気高い花姿と芳香に包まれ心身が癒されるようです。6月14日~7月5日にはバラまつりが行なわれる予定です。
温泉は肌にやさしい弱アルカリ性の単純温泉。そして「ホテル千秋閣」の女性用浴場の一角にはバラ風呂が設置されています。入浴用のバラの花びらが浴槽に浮かび、温泉効果と相まって深いリラックス感が得られます。女性ならば一度は体験してみたいと思うバラ風呂、ぜひ全身でバラの効用を実感してみてください。
写真:花巻温泉バラ風呂
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。