清涼感のある白い地肌と、簡素ながらも青い染め付けの自由な柄が印象的な波佐見焼(はさみやき)。清山(せいざん)は、数ある波佐見焼の窯の中でも精巧な造形技術で知られた窯元だ。
その技術の粋ともいうべき酒器が、密閉性の高いねじ蓋式ボトル『Ri・ピート』と、器体が中空構造になった『キーポグラス』のセットだ。
ねじ式の容器は、雄ねじと雌ねじのふたつが寸分の狂いもなくかみ合い、はじめて密着する。この構造を陶磁器に取り入れるのは、容易ではない。
原料の天草陶石は天然鉱物。水を使った比重選鉱で粒子をそろえても完全に均質にはならない。土の粘性は水分量や部屋の湿度の影響も受けるため、成形の際の加圧や乾燥具合も日々異なる。そのつど微調整しないと、焼成したときに雄ねじと雌ねじに収縮差が生じる。
「五感を頼りに手作業で工業製品並みの安定した精度を出す。熟練の職人にしかできない芸当です」(清山窯代表・瀬井和文さん)
グラスの中を中空にする技術も、陶磁器の世界では前例のない試み。この高度な技術のおかげで、冷たいお酒は冷たく、温かいお酒は温かいままで味わうことができる。
商品名/Ri・ピートとキーポグラスセット
メーカー名/清山
価 格(消費税8%込み)/5,702円~6,264円