岡山県の備前焼は、瀬戸焼や信楽焼などと並んで「六古窯」のひとつとして知られる。平安時代からの歴史を持ち、その特徴は何といっても、1000年もの間、釉薬をいっさい使わず、焼き締めだけを続けてきたことだ。釉薬が作るガラス質の美ではなく、炎が作る焼き肌の渋みを楽しむのである。
この2つのカップは焼き肌が異なる。茶褐色のほうは、赤松の割り木に燻されるようにして焼かれた還元焼成で、薄茶のほうは、真っ黒な煙を出すことなく酸化焼成されたものである。
製作した五郎辺衛窯の武用務さんはいう。
「長い時間をかけて焼成することで、備前焼は硬く締まっていきます。五郎辺衛窯では、今でも12日間におよぶ赤松の割り木による焼成を行なっています。その炎が焼き肌を作るのですが、同じ技法でも焼き肌は微妙にちがってくるんです。
今回の2つは、どちらも表面に凸凹があるため、ビールの泡をクリーミーにします。茶褐色のほうはビールの雑味を取り、味をまろやかにするといわれます。一方の薄茶色のほうはビールそのものの味を際立たせるという評価をいただいています」
焼き方による味の違いを体験したい。
商品名/備前焼ビアカップ 2個セット
メーカー名/備前焼窯元 五郎辺衛窯
価 格(消費税8%込み)/4,428円