一流競馬騎手の鞍や皇室の馬車具を手がけている国内屈指の馬具メーカー、ソメスサドル。北海道で農耕馬に使われていた馬具の製造技術者を集め、炭鉱の町・歌志内市で昭和39年に創業した。当初は輸出用馬具で順調に業績を上げていたが、石油ショックで事業の転換を余儀なくされる。そんな折に製造を目指したのが、欧州の馬具メーカーに倣い、持てる技術を生かすことができる高品質なバッグやベルトなどの革製品だった。馬具は人の命を預かるが故に安心・安全であることが肝要というポリシーは、今も人が使う品々に貫かれている。
「革の個性を見極めることから始まり、一つひとつの作業工程に手をかけすぎるほどかけています。修理の専門チームによるメインテナンスを行なえば、一生使えるアイテムになります」と語るのは、社長の染谷 昇氏。
オイルレザーを格子状に組んだトートバッグの底は、一枚革を立体的に成形する「しぼり」という技術を採用。馬具メーカーならではの技が光る極上の仕上がりだ。月日を重ねるほど手になじみ、味わいが増す革鞄とともに、自身も年齢を重ねるのが愉しみになる。
【今日の逸品】
ライナー付きトートバッグ
ソメスサドル
107,800円(消費税8%込み)