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2016年10月29日、「樹木希林の遺言」の演題で静岡市にて開催された講演の模様をDVDで初公開。希林さんが講演を引き受けることは滅多になく、講演自体が貴重な記録だ。講演では、希林さん独特の人生観、死生観が、時折笑いを交えながら、淡々と語られた。

樹木希林さんに講演会を依頼したテレビ・プロデューサーの田川一郎さんは、希林さんとは30余年の付き合い。写真は田川さん宅でハモのしゃぶしゃぶ鍋を囲む、在りし日の樹木希林さん。

DVDブック『樹木希林 ある日の遺言』の映像を撮影した元テレビ朝日プロデューサーの田川一郎さんより、9月15日で希林さんが没後1年になるのに合わせて原稿を寄せていただきました。


2016年10月29日、「樹木希林の遺言」の演題で静岡市にて開催された講演の模様をDVDで初公開。希林さんが講演を引き受けることは滅多になく、講演自体が貴重な記録だ。講演では、希林さん独特の人生観、死生観が、時折笑いを交えながら、淡々と語られた。

「心を解体する」

~樹木希林さん一周忌によせて~

DVDブック「樹木希林 ある日の遺言 食べるのも日常 死ぬのも日常」を見て、友人がくれた感想の一部です。

お話は何のてらいもなく、普段、家族や仲間と話をしておられるように自然で、きわどい話でも、嫌味なく、そこに人間味がほとばしり、樹木さんならではの、人の心を解体した時の本質や真実が見えてくるようでした。

ボクはこの小文の中で「心を解体する」という表現にハッとしました。なるほど、彼女は心を解体する名人だったのかも知れないと。

自分の心もバラバラに解体して、不必要なパーツは全部捨て去った、それが最後の姿だったのだと気づきました。

病気になってからの言動から、お金も名誉も要らないと言っていたので「では、何が楽しいですか?」と聞きました。

「人が喜んでくれることが一番楽しい」が答えでした。

病気になってからの映画出演、「娘が、お母さん、なんでそんなに仕事をするの?」と聞くと笑っていましたが、今思うと、人が喜んでくれることを懸命にやっていたんだなぁと思います。出演作品が賞を取り、監督さんが認められる。それが嬉しい。自身の好演を褒められるより、監督が喜ぶのを見るのが幸せだったのだと思います。

これが彼女の映画出演の仕方でした。

他人の心も解体する名人でした。
DVDの中で、加藤治子さんと長岡輝子さんの心も解体して笑いを誘っています。

死への恐怖も、不要なパーツとして捨て去っていたのでしょう。
タイトルにもなっている「死ぬのも日常」と言い切っています。
「あぁ、こういう風に死ねばいいんだなぁ」とボクも、死への恐怖が薄れてきました。

このDVDは何回見ても飽きません。その都度、新しい発見があります。

「そういうことだったのか」

希林さんの思考の深度の深さに驚きながら、間もなく一周忌。

 

*  *  *

樹木希林 ある日の遺言

食べるのも日常 死ぬのも日常

食べるのも日常 死ぬのも日常 2016年10月の講演「樹木希林の遺言」の映像を収録したDVDと、講演での希林さんの言葉(抄録)、希林さんと田川一郎さんの秘話を掲載した冊子のセット。講演の模様は本書が初公開となる。希林さんの語りは、病気への不安や死への恐怖を和らげてくれ、生きる勇気をもらえる1冊といえよう。

●『樹木希林 ある日の遺言 食べるのも日常 死ぬのも日常』
著・樹木希林/田川一郎 DVD1枚+四六判冊子32頁、1800円
小学館 電話:03・5281・3555

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