
純銀99.9%の酒器。液体を注ぐと盃の中に月のような球体が浮かび上がる。この玉は飲み干すまで消えない。
酒を注ぐと銀盃の真ん中に、レンズのような「玉」が浮かび上がる。玉の中には、餅つきをするうさぎが封じ込められている。玉はどの方向から見ても立体の球体に見える。なるほど、満月とうさぎの風情が味わえるという仕掛けだ。
この銀の盃は、昭和2年(1927)創業の森銀器製作所(東京都台東区)の職人が仕上げた。微妙なカーブを作り出す隙のない造形技術があってこそ、盃の中に美しい玉を作ることができるのだ。
玉盃にとっておきの酒をそっと注ぎ、中秋の名月を眺めるのも風流なひとときである。

ベテランの銀器職人が細部まで注力した美しいカーブは、いつまでも見飽きない。ほどよい銀の重みが掌に心地よい。
【今日の逸品】
純銀製 玉盃2寸 うさぎのつき
森銀器製作所(日本)
19,440円(消費税8%込み)
