2020年に小学1年生になる子どもたちは、将来どんな職業を選ぶのでしょうか? ランドセル素材などに幅広く使用される人工皮革〈クラリーノ〉を製造・販売する株式会社クラレが、この春に小学校に入学する子どもとその親を対象にアンケートを実施し、「将来就きたい職業」、「就かせたい職業」を調査しました。子どもたちが夢見る職業、そして親の希望する職業について、一緒に見ていきましょう。
■男の子が「将来就きたい職業」、なりたい「スポーツ選手」、ラグビー急浮上
男の子は、22年連続で「スポーツ選手」が1位になりました。内訳では「ラグビー」が急浮上し、「サッカー」、「野球」に続きました。昨年来の盛り上がりを受け、子ども向けのラグビースクールも活況。なりたいスポーツ選手として注目が集まっているようです。
・「警察官」過去最高15.1%で「スポーツ選手」に迫る
また、「警察官」は2012年から9年連続の2位となりました。比率は過去最高の15.1%で、1位の「スポーツ選手」との差は3.7ポイントになりました。警察が啓蒙・PR活動の一環として行っている子どもの職場訪問・見学などがきっかけで、制服や白バイにあこがれる男の子が増えているのかもしれません。
・「ユーチューバー」、なりたい職業に定着
2016年に54位(0.1%)で初登場して以来、2017年は25位(0.6%)、2018年は15位(1.4%)、2019年は12位(1.8%)と着実に順位を上げ、今年は初めて「芸能人・歌手・モデル」も追い抜き、トップ10に入りました。今やネットやスマホに出てくる有名人は、芸能人以上にあこがれの存在になっている様子がうかがえますね。
・「宇宙関係」、過去最高の11位
宇宙飛行士や宇宙関係の団体職員などの「宇宙関係」の仕事が過去最高の11位でした。JAXAのはやぶさ2や国内初の民間ロケットの打ち上げ成功など、日本人が活躍するプロジェクトの話題が増え、宇宙を舞台とする仕事はぐっと身近なものになりつつあるようです。
■女の子が「将来就きたい職業」、4人に1人は「ケーキ屋・パン屋」になりたい
女の子の1位は、調査開始以来22年連続で「ケーキ屋・パン屋」でした。全体の26.0%と絶大な人気で、2位以下を大きく引き離しました。内訳では、「ケーキ屋」、「パティシエ」が約8割を占めました。
同じくスイーツ系の「アイスクリーム屋」も比率を伸ばし、昨年に続き6位に入りました。
・3位返り咲きの「看護師」など、身近な職業への関心高まる
10位までの顔ぶれは、昨年と同様です。しかし、上位2つの比率が微減であったのに対し、過去最高タイの3位に返り咲いた「看護師」をはじめ、「保育士」、「医師」、「教員」、「警察官」といった、子どもたちにとって身近な職業が比率を伸ばしました。
・「医師」、「警察官」が過去最高比率で順位上げる
過去最高比率となった7位「医師」。女性医師の数も年々増加しており(※)、人々の健康を守る凛々しい仕事ぶりに、女の子は心惹かれているようです。同じく過去最高比率で1つ順位を上げた「警察官」は、男の子で15.1%(2位)、男の子の親で6.7%(5位)、女の子の親で1.4%(15位)と、いずれも過去最高の比率となり、性別や世代を問わず注目を集めています。
※出典:厚生労働省 「平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
■男の子の親の「就かせたい職業」、「スポーツ選手」が初めてのトップ3落ち、安定感のある職業に人気集まる
調査開始以来、毎年3位内をキープしていた「スポーツ選手」が今年初めて4位となり、トップ3は安定感のある職業が占めました。「公務員」が1位から落ちたのは、「スポーツ選手」が1位となった2009年の一度だけです。
「医師」は昨年初めて3位内から落ちましたが、今年は2位に返り咲き。「医療関係」も初めてトップ10入りしました。
■女の子の親の「就かせたい職業」、今年も続く医療系人気、「医療関係」は過去最高比率に
調査開始以来連続1位の「看護師」ほか、3位に「薬剤師」、4位に「医師」、5位に「医療関係」と、医療系の職業が引き続き人気を集めました。「医療関係」は過去最高タイ順位、過去最高比率でした。内訳では、「助産師」、「歯科衛生士」、「検査技師」、「臨床心理士」といった職業が挙がりました。
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いかがでしたか? 親が就いてほしいと思う職業は、例年と変わらず安定感のある職業が上位を占めました。男の子のランキングでは、ユーチューバーがトップ10に入ってきたことが印象的ですね。
未来ある子どもたちには夢に向かって、頑張っていってほしいですね。
調査概要
[調査対象]2020年4月に小学校に入学する子どもとその親
[調査方法]〈クラリーノ〉製ランドセルを購入した方にアンケートを実施
2019年7月~2019年12月のインターネット回答分から有効回答を抽出
[有効回答]子ども4,000名(男女各2,000名)、その親4,000名
※子どもの調査は1999年から2020年まで通算22回目、親の調査は1992年から2020年まで通算29回目。